最近、増えつつあるデュアルシート車。
日中はロングシート運用で一般電車、ラッシュ時にはクロス運用で有料電車といった使い分けが出来る便利な電車ですが、この子の座席の裏話って知ってますかね?
座席を転換したとき、その面白い特徴があるので今回は実際にその風景を確認しに行きましょう。
それでは出発進行。
という訳で前回の続きから。
西武多摩川線の新小金井駅から再び是正行きの電車に乗って終点の是正駅まで来ました。
ここから乗換えですが、ちょっと歩いてJRの府中本町駅まで行きます。
2km弱歩いて府中本町駅に到着。
ここの近くに東京競馬場があるんですね。
改札もこんな専用改札が用意されていました。
数が凄い。
次に乗る電車は武蔵野線の南船橋行きE231系が担当です。
北朝霞で下車しました。
JRの改札を出て左側を見るとすぐ東武の朝霞台駅。
こっちに乗り換えます。
ホームに降りてくると電車が到着。
10両編成、普通新木場行きです。
和光市駅で下車しました。
そしてお目当ての電車が到着。
快速急行、池袋行きです。
使用されている車両は50090系。
車内はクロスシートとロングシートを切り替えられるデュアルシート車です。
お昼間はロングシートで一般電車の運用、朝夕ラッシュは座席指定列車のTJライナーで運用されるのでクロスシートになっています。
今は夕ラッシュ帯なので、池袋からの下り列車はTJライナーとして運転され、折返しの池袋行きは快速急行の運用に入っています。
と言うわけで今回はこの車両の裏話について語りたいわけですが、まずはこちらをご覧下さい。
電車が終点の池袋駅に着いた後、折返し運用の為に座席を自動で転換します。
ドアとドアの間には3列分の座席があり、車掌がボタンを押せば一斉に転換します。
あれれ?1回で回らずに端の2つが回転して、その後真ん中のシートが回転していますね。
自動で転換すると言えば転換クロスシートも車掌が自動で転換できますが、こちらはボタンを押せば一気に全てが転換します。
なぜデュアルシートは一気に回転することが出来ないのか?
その答えは自分で回転させてみるとよく分かります。
足元のペダルを踏んで2席分を回転させると…
隣のシートとぶつかって回せなくなってしまいました…
なので自動で回転させるときは隣同士が一気に回転しないよう、2回に分けて転換しているんですよね。
そうしたらロングシートに変換できへんくない?と思われたかた鋭いですね。
そこにはちょっとした工夫で上手く転換するように出来ています。
と言うわけで、ロングシートの時とクロスシートの時の写真を見比べて下さい。
あ、ちなみにクロスシートの写真は他社の車ですがご勘弁ください。
シートの向き以外で1か所違うポイントがあるんですけど気付きますかね?
ヒントは座席の下です。
答えはここ。
座席の下側が出っ張っているのと平面になっているのが分かりますかね?
実はクロスシートで転換するときと、クロスシートからロングシートに変換したときに回転する軸が異なっているんですよね。
クロスシートで転換するときは車両内側で回転して、クロスシートからロングシートになるときはここの出っ張りが引っ込むことにより回転する軸が車両外側に移動して、回転+移動でお互いの椅子があたること無く、上手いことなるようになっています。
これは中々言葉で説明するのが難しいので是非実際の物も見て貰いたいですね。
とはいえお客さんが見える場所でクロスシートからロングシートに変換する運用はなかなか無いんですよね…
さてそうこうしているうちに池袋駅に到着しました。
それではTJライナーの折り返し運用を見てみましょう。
まずは降車側のドアを車掌が開けます。
降りるお客さんが済んだことを確認して、今度は清掃屋さんが乗車します。
クロスシート車はどうしてもシートとシートの間が死角になるので、ゴミや忘れ物を見落としがちです。
そうならないために指差確認しながらチェックされてますね。
ゴミを回収しつつ、降り遅れのお客さんがいないことを確認するのも大事です。
人が乗っているまま転換したら危ないですからね。
背丈の高いシートなので、小柄な人が座っていると遠目で見ただけじゃ分からないんですよね。
よくバスの車内に閉じ込められていた人がいたみたいなニュースがあると思うんですけど、ちゃんと全てのシートを自分の目で確認しに行かないとそうゆうことが起こっちゃうんですよね。
私も走りながら車内確認しに行ったときに、遠目で見えない降りていない人とかよく見ますよ。
近くに行って初めて気づくので、まだ乗ってんのかいといつもびっくりします。
マジで心臓に悪いのでやめて欲しいですね…
さて先程まで運転士が運転していた池袋寄りの運転室。
今度は折り返し担当の車掌が、ドアを閉めるタイミングを窺っています。
と、ここでお客さんからの問い合わせ。
こういうの地味に困るんですよね…
閉扉の合図を見ておかないといけないのに、お客さんのことも邪険にできない。
難しい対応です…
車内の清掃・確認が終わればドアを閉。
車掌はここからボタンを操作して、全車両の座席を自動転換します。
この時、地味に気を付けないといけないのが、クロスシートの転換とロングシートへ変換のボタンを間違わないようにしないといけません。
間違ってロングシートにしちゃうと元に戻すのに時間がかかっちゃいますからね。
そして座席がくるくる―
座席が回転すれば、扉を開けて折り返しTJライナーとして運用されます。
ロングシートとクロスシートの意外な違いについて知って貰えたと思います。
今回はそんなデュアルシート車の裏話のご紹介でした。
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