運転士への道のりPART.2 適性検査編

運転士になるまで

適性検査って?

さて前回、運転士になるための社内試験について解説しましたが、適性検査についてはまだ解説していませんでした。
いくら筆記試験の点数が良くても、適性が無いと判定されれば一生、運転士になることはできません
しかも本人がいくら努力しても、こればっかりはどうしようもない場合もあります。
適性検査でどんなことをするのか?
適性検査は2つの種類があります。
1つは医学適性検査、もう1つは運転適性検査です。
まずは医学適性検査について解説します。

医学的適性検査

簡単に言えば健康診断ですね。
会社や学校でやるような、視力検査聴力検査診察
色覚検査視野検査ささやき検査というちょっと変わった検査も行われます。
色覚検査?視野検査?ささやき検査?ちょっと耳馴染みが無いかも知れませんね。


色覚検査はこんな画像を見せられるわけですが、皆さんは丸の中にどんな数字が隠されているのか分かりますか?

出典:石原式色覚異常検査表 – Wikipedia

色覚に異常が無い人なら、丸の中には42と書かれているのが分かると思いますが、色覚に異常がある人はこの数字が見えなかったり別の番号に見えたりします。

この問題を数問やって、色覚に異常が無いのか確認していきます。
で、気を付けないといけないのが、見せられる問題全てに数字が隠されているわけでなく、数字がないひっかけ問題を出される場合があります。
その時は数字が無いですと言えば良いだけなんですが、ずぅーっと数字がある問題が続いた後に出されるので、絶対に数字があると思ってしまって自分に異常があるんじゃ無いかとヒヤヒヤして、なかなか言えなかったりします。
なんかこの問題、色覚に異常が無い人は数字が見えないみたいなんですが、異常がある人が見えると数字が見えるみたいなんですよね。
原理がよく分からないので、本当に不思議です。


次に視野検査は、半ドーム型の機械に頭を突っ込んで、片目を閉じます。
で、開いている目は正面の1点を見つめます。
そうすると視界の端から光が中心に向かって進んでくるので、光が見えた所を申告して、どこで光が見えるのか?視界に欠けは無いのかを確認します。
私がこの検査を初めてやったとき、全然意味が分からなくて、まだ見えませんか?と検査の人に軽く怒られました
なんか光が視界の端にちょっとでも見えたら申告して下さいと言われたんですが、???でちょっと何言ってるのか分からない状態でしたね。
要領を掴めばサクサクいけますが、最初は本当に意味不明でした。


そしてささやき検査は5m以上離れた地点から、ささやき声で「今日は晴れですね」って話しかけられるので、その内容を返答して、ちゃんと聞こえているのかを確認します。
普通、聴力検査なら何デシベルみたいな数値の音を聞くわけですが、このささやき検査はささやき声と言う声を出す人の主観100%の音量なのでこれでいいの?って思いましたね。
こんな感じで医学的適性検査を行って体に異常が無いのかを確認されます。

運転適性検査


運転適性検査で行われるのは主に3つ、クレペリン検査反応速度検査注意配分検査です。


クレペリン検査は聞いたことがある人がいるかも知れませんね。
前半15分、休憩を挟んで後半15分ひたすら一桁の計算問題をやって、1分間ごとの計算量を元にその人の性格や特徴を探るためのもので、鉄道会社に入れば逃げたくても逃げれない検査です。
やってることは単純なんですが、地味にしんどい鬱陶しい検査です。
体験したことがある人なら分かると思いますが、適性検査の中で一番嫌な検査ですね。


次に反応速度検査は、目の前に信号の色である、赤、黄、緑のランプが点灯します。
ランプが点灯したら、ランプの色に応じた手元のボタンを押して、その反応速度正確性を確認します。
ボタンをポチポチすればドンドン次の色に変わっていくので、リズム良くできるとめちゃくちゃ快感です。
ちなみに間違うと、正しいボタンを押すまで色が変わらないので、リズムを崩されて地味に苛ついちゃいますね。


最後に注意配分は、紙に7×7マスの枠が書かれていて、その中に真ん中を0として他のマスには48までの数字がランダムで記入されています。
で、この数字を1から順番に探していってその時間を計測する単純なものですが、やってみるとどうしても見つからない数字が出てきます。
探せば探すほど、14、15、16と次の数字は見つかるのに一向に13が見つからない、時間を計られているのも相まってヤバイヤバイと軽いパニックになります。
その時は大体外枠らへんとか、手で隠れたりした所にあって、人間の視界って案外狭いんだなと痛感させられます。
タイムアップの時間も普通にやれば問題ない範囲の時間に設定されているので、落ち着いて探せば問題ないのですが、やってる間はなかなかそう上手いことはいかないですよね。

合格できないと?


こんな感じで運転適性検査は行われます。
医学適性検査と運転適性検査。
2つの検査に異常が無ければ、適性検査に合格です。
この適性検査に合格しないと、いくら筆記試験や面接でどれだけ高得点を取ったとしても運転士になることはできません。
厳しいと思われるかも知れませんが、電車を運転することはお客さんの命を預かることになるので、心身や身体に異常が無いことを確認することはとても大事なことになります。
しかもこの検査は国の省令に基づいて実施されるので、どこの鉄道会社でも同じような検査が行われているので、皆さんが見る運転士は皆この検査を突破してきたことになります。
ただ中にはどうしても適性検査によって運転士になれない人もいるので、可哀想だなと思う人もいます。
ただ安全の為には一定のラインを設けるのは、いたし方が無いんですけどね…

裏話

色々な検査があって皆、得意・不得意があるんですけど、私が一番苦手なものは何だと思います?
めっちゃ基本的な事なんですけど、血圧検査なんです…
医学適性検査の中でやるんですけど、お家で測ったら普通に標準なのにいざ病院とかで測ると高血圧になるんですよね…
今回も無事、測り直しで何とか合格ラインに落とすことができました…
看護師さんにはめっちゃ迷惑をかけましたww
すいません

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