鉄道会社の定年後は悠々自適な老後生活はできません!!【ゆっくり運転士のひとりごと】

ひとりごと

定年を迎えてようやく悠々自適な老後生活。
と思っていたら、すぐに亡くなった。
残念ながら鉄道会社ではよく聞くお話です。
鉄道会社で長年働くと確実に寿命を縮めます。
知っておいて損はない闇事情を解説します。
それでは出発進行。

先に断言します。
鉄道会社で働くと長生きできません。
それには鉄道会社で働く環境が大きく関わっています。
鉄道会社で働くと健康に悪いとはなんとなく聞いたことがあるかもしれません。
でもその原因を具体的に聞いたことがあるでしょうか?
不規則勤務が原因でしょ?
確かにそうですがその内情を知っていますか?
鉄道会社で寿命を縮めてしまう行為を食事・睡眠・飲酒の3つに焦点を絞って解説します。

皆さんは1日何回ご飯を食べているでしょうか?
1日3食なるべく決まった時間にご飯を食べるのが規則正しい食生活とされています。
でも鉄道会社ではそれが出来ません。
まずは1日何回食事をするのかを考えてみます。
これはどこのポジションで働いているのかによって異なり、駅員や車両・施設系で働いているなら比較的規則正しく食事をとることが出来ますが、乗務員は話が異なります
と言うのも、いずれの職種においても日勤又は泊り勤務があるわけですが、特に泊り勤務において前者は9時に始まり、後者は12時前後から始まるって所にポイントがあります。

仕事の開始時刻によって食事環境が異なります

例えば9時に仕事が始まる場合、出勤前に朝ご飯を食べて、12時頃に会社でお昼ご飯。
そして18時ぐらいに会社で晩御飯を食べて、日を跨ぎ6時に朝ご飯を食べて9時頃に退勤。
そして家に帰ってお昼ご飯ってルーティンになります。

9時始まりだと1日3食規則正しい生活が出来ますが…

一方、12時前後から始まる場合、家で朝ご飯を食べたとしてお昼はどうすんねん問題があります。
例えば通勤に1時間ぐらいかかる人なら、10時過ぎに自宅を出発するので家でお昼をとることは難しいですよね。
会社に到着してから食べるにしても、出勤してから乗務する電車まで時間が少しあるとはいえ、30分ほどなのでゆっくり食事をするのはなかなか難しいです。
あとは早めに家を出て通勤途中で食べるか、会社に早く着いて出勤時間までに何か食べるかの2択になります。

12時出勤だといつお昼ご飯を食べるのか?ってなります

そして出勤時間が固定されているわけではなく、早ければ10時代、遅ければ16時代みたいな感じで毎回毎回どこでお昼ご飯を食べるのか?と考えるのがめんどくさいことになります。
なので出勤前に朝昼兼用でご飯を食べて、夕方ぐらいに晩御飯を食べるっていう1日2食のルーティンになりがちです。
次は食事時間についてです。
お昼になったらサイレンが鳴って、全員一律にお昼ご飯に向かうってことができるのは、本社と一部の技術系の職場でしかありえません。
基本的には、皆が順々に交代してご飯を食べるので、お昼なら11~13時ぐらい、晩なら16~20時ぐらい、朝なら6~8時ぐらいの間のどこかで食事することになります。

ご飯の時間は皆で交代で食べるのでバラバラになります

規則正しい食生活を考えた場合、食事時間がバラバラであるのはあまり好ましいものではありません。
さらに最悪の職場ならご飯時間が30分みたいなときがあります。
これ、交代してから次の交代時間までが30分ですからね。
食堂まで移動して、準備して、食べて、片づけて、歯を磨くみたいなルーティンで考えたら、食べる時間が実質15分しかないみたいなことになります。
ゆっくり噛んで食べるなんてできません。
とりあえず胃の中にかきこむ能力が必要になるわけで、消化器官にはかなり負担がかかることになります。

交代してから交代するまでがご飯時間とカウントされるので実際の食事時間は短くなります

そして最後は魅惑の夜食についてです。
これは全員ってわけではないんですけど、好きな人は好きですね。
文化として残っている場合があって、何人かで集まって持ち寄ったり、その場で作ったり、1人で楽しむなど様々ですが真夜中に食べる飯は格別ですよね。
絶対体に悪いことは分かっているんですけど、晩ご飯を食べてから5時間ぐらい働いているわけですからね。
お腹がすくのは分からなくもないです。
とまぁこんな感じで、1日3食規則正しい食生活っていうのはなかなか難しい訳なんですよね。

では次は睡眠です。
1日どれだけ睡眠が必要かは個人差がありますが、厚生労働省の基準によると6時間以上が推奨されています。
6時間は短すぎ、1日8時間は睡眠時間を確保したい、何なら10時間ぐらい寝たいと感じてしまう人にはめっちゃきつい職場環境です。
泊り勤務だと短時間睡眠であるのはなんとなく分かると思われますが、具体的に何時から何時に寝るのか分かりますかね?
基本的には早寝と遅寝があって、早寝は23時ぐらいに終わって次の日は始発までに起きる
遅寝は終電まで起きて6時ぐらいに起きてくるって感じのルーティンになります。
ちな一番最悪なのは終電まで仕事をしているのに、始発で起こされるといった極悪非道な勤務もあります。

早く寝て早く起きる又は遅く寝て遅く起きるのがルーティンです

ちなみに指令みたいな24時間誰かいないといけない場合は、順番に寝て誰かが起きたら交代って感じになります。
仮眠時間はまちまちで、5・6時間は取ってくれるのが多いですが、少ない所だと3・4時間みたいなところもあります。
ただこの時間。
あくまで勤務終了から次の勤務が始まる間の時間なだけであって、この間に寝る準備、朝の準備の時間が含まれています。
お風呂の時間とか色々な時間を勘案すると、実際に寝られるのは早い人でも1時間
女性で髪の毛を乾かしたり、朝のメイク時間を追加すると2時間は削られると思った方がいいです。

仮眠時間には寝る以外の時間が含まれています

睡眠時間の短さが不健康な要因であると分かって貰えたと思いますが、さらにバラバラな睡眠時期も不健康さに拍車をかけます。
具体例をあげましょう。
今日は遅番の日。
終電が終わり片付けをして勤務終了。時刻が日付の変わった深夜1時。
今から寝る準備をしたら1時30分は過ぎるでしょう。
ちなみに明日の出勤は6時30分。
朝の準備を考えて6時に起きるとしたら睡眠時間は4時間30分ですね。
さて勤務が終わればその日はお家で寝ます。
皆さんはお家で何時に寝ますでしょうか?
お家でどれぐらい寝るのかは人によりバラバラなので、仮定として0時に寝て9時に起きるとしましょう。
さて会社に出勤して、今度は早番の日。
勤務は22時に終了。明日の出勤時刻は4時です。
寝るのは22時30分、起きるのは3時30分ぐらいですかね。

1時30分に寝て6時に起きる→0時に寝て9時に起きる→22時30に寝て3時30分に起きるって感じのルーティンになります

睡眠時間は5時間です。
とまぁこんな感じで会社と自宅で睡眠時期と時間がバラバラであるわけでゆえに体のリズムを合わせるのが大変になります。
しかも明の日はどうしても眠たくなるのは宿命で、お家に帰って変な時間帯に寝てしまいがちです。
特に夕方ぐらいの夕飯前。
バカほど眠たくなります。
でここで下手に熟睡してしまうと完全に睡眠のリズムが狂い、時差ボケ状態になって夜に寝れなくなってしまうなんてよくあることです。

明けの日にお家で変な時間に寝てしまいがちです…

1日の睡眠時間が圧倒的に足りていない、しかも寝る時間もバラバラ。
それを解消しようとして家では夜に長時間の睡眠を取る、又は夜まで耐えられず変な時間にお昼寝をしてしまう
時期・時間もバラバラになるとても健康的な睡眠とは言えないのが現状です。

仕事が終わった後の過ごし方。
それは様々ですが、嫌な飲み会だけでなく同僚と楽しく酒を吞み交わしたり、自分へのご褒美としてお疲れ様の一杯など、大なり小なり飲酒する機会があります。
一般的な会社の場合、仕事終わりに呑もうとしたら、19時ぐらいに始まって、21時ぐらいからは2次会でしょう。
23時ぐらいにお開きにしたとして、呑み会の時間はせいぜい4時間程度だと思います。

一般的な会社の飲み会は19時~23時の間に行われますが…

一方、鉄道会社では仕事はお昼ぐらいに終わります。
なので往々にして13時からみたいな感じで明るい内から呑み会が始まることになります。
4時間吞んだとしても時刻は17時。
一般的な会社で考えたらまだ就業時間内です。
これで帰れたらいいのでしょうが、呑み会の種類によっては断りにくいみたいなことが往々にしてあります。
で、結局は終電間際の23時まで呑まされたとしたら、一体何時間呑んでるんだって話です。

鉄道会社では13時から飲み会が始まります…

これでもまだ昼に終わる職場ならいいですが、朝の時間に終わる場合は最悪です。
夕方から再集合してとか、ギャンブルに勤しんで流れで吞みに行こうって場合もあれば、10時から開いている店を探して晩まで吞み明かすみたいなことをさせられることもあります。
時間が長ければ長いほど、飲酒量も食事量も増えてべろべろになる可能性も高くなるわけで体に良い訳がありません。
個人的には財布も自分の時間も心配しますけどね。
酒が好きな人はこんなことを高頻度で行う訳で、どう考えても適切な飲酒量を大きく逸脱しています。
寝不足の日に長時間の飲酒。
急性アルコール中毒で運ばれた人なんて何人もいます
正直、頭がおかしいです。

規則正しい時間に1日3回食事をとる。
毎日同じ時間にぐっすりと寝て気持ちよく起きる。
飲酒はほどほどに

っていうような健康的な生活は鉄道会社では絶対にできません
長い労働人生、身体に無理をさしたがゆえに定年を迎えていざ老後を楽しもうと思っても、早々に亡くなってしまった話をよく聞きます。
そら現役期間中こんなことをしていたら致し方が無いですよね。
長生きされたい方は鉄道会社で働く事を一旦考えて頂ければ幸いです。

最近定年を迎えられた方が、数か月で突然亡くなられました。
私が車掌で乗務区に来た時から、優しく声をかけて頂いてたのでこの話を聞いて正直ショックでしたね…
しかも定年後は色々やりたいねんっておっしゃってて、長年働いた結果がこんなことになるなんて…
将来自分の身にも降り注ぐことを考えると恐ろしいとしか言いようがないです。

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