まず初めにこれは北陸新幹線延伸前の去年11月に現地を訪れたものですです。
予めご了承下さい。
ということで金沢駅から城端線、氷見線に乗り鉄に行きましょう。
金沢駅西口よりバスに乗ります。
金沢駅には主に北陸鉄道と西日本JRバスの路線バスが乗り入れていますが、私が乗りたいのは加越能バス。
富山県のバス会社で石川県まで越境して乗り入れているわけですが、1路線しかないのでどこにバス停があるのやら…
観光地への案内は大々的にありますが、加越能バスの案内がない…
ウロウロしていると他とカラーリングが違うバスを発見。
これですね。
中型のノンステップバス。
個人的には初めて乗る気がしますね。
井波行きに乗車です。
バスは富山県を目指して走って行きます。
金沢駅を出発して暫くの間のバス停は乗降専用。
富山県の県境近くまで降車することができません。
逆に金沢行きはこの逆で、金沢駅付近は降車専用で乗車することができません。
併走する北陸鉄道バスに配慮しているみたいですね。
途中駅では乗降がなく、バスは県道27号線をそこそこの速度で走って行きます。
まぁこんな山奥ならそんなに乗降も無いですよね。
しかも今乗っているこの路線。
一日、6往復で数もしれているのでどれだけの人が利用しているのか大体想像がつきそうですね。
そもそもこの路線は社会実験として運行を開始してその時は8往復。
その後本運行になりましたが、いつまで残っているのやら…
金沢駅から約1時間。
城端駅前に到着です。
ちなみに運賃は870円でした。
バス停から後ろ方向に進めばすぐにJR西日本、城端駅があります。
駅舎はこんな感じ。
1897年に開業した当時から使用されているみたいですね。
駅舎に入りました。
待合のベンチの前には小学校にありそうなストーブと柵。
このセット。何年ぶりに見たのやら…
反対側には観光案内所と券売機。
でもなぜか券売機は使用できなかったので隣の窓口で切符を購入しました。
ちなみに窓口は観光案内所が運営しているみたいです。
高岡駅までの切符を590円で購入しました。
購入したときに入鋏印を押してもらったのでこのまま入ります。
すでに列車が到着していますね。
向こう側が列車の進行方向である高岡方面です。
で、ひっくりかえると観光列車べるもんたの立て看板が置いてあります。
ちなみにべるもんたって名前。
これは愛称で正式名称はベル・モンターニュ・エ・メールっていうみたいですね。
名前が長い…
構内踏切を渡った反対側ホーム。
2番線の奥にはモーターカーが雪に備えて除雪仕様で待機していますね。
城端駅は終端駅で終端方向を望むと1,2番の線路が合流して機回しできるような構造になっていますね。
ただあんまり使われていないんでしょう。
構内踏切に全然踏切感が無いですね。
2番線から駅舎のある1番線を望みます。
もうちょっと列車が終端側に止まればお客さんも乗降りしやすいのでは…
と思いますが、設備的にできないときがあるので黙っておきます。
では、乗車します。
高岡行き2両。ワンマン列車です。
都会ではお目にかかれない、ステップを登って車内に入ります。
車内はボックスシート。
ドア付近のみロングシートになっています。
後ろの車両は両端に運転席があるのでキハ40系。
前の車両は片側にしか運転席がないのでキハ47系ですね。
そうこうしているうちにドアが閉まりました。
城端駅を発車します。
さて大体の皆さんが予想できると思いますが、城端線は全線単線路線です。
なので1、2番線の線路が合流して、約30キロ先の高岡駅を目指します。
城端駅周辺には建物が建て並んでいますが、駅を出るとその数をだんだんと減らし、すぐに田畑の中を走る路線に変貌します。
ただ、JR西日本閑散路線でよく走っているキハ120系小型気動車ではなく大型のキハ40系を走らせているってことは、少ないながらも一定の旅客がいることが伺い知れますね。
とはいっても私が乗車したこの列車は、私以外に学生と外国人の人しか乗っていないので、日常使いしている人が限られている現実も見受けられますね。
この日は天気が悪かったので車窓が見にくいですが、この列車の窓も汚いので余計に拍車をかけていますね。
うーん。
駅を出てすぐでこの風景。
列車を満員にするのは難しそうですね。
列車は60キロでトコトコと走って行きます。
とここで停車駅が近づいて来たのでブレーキを取り始めました。
さてこの列車は自動空気ブレーキで止めるのでかなりの技術が要求されます。
一般的な電車はブレーキステップごとにブレーキの強さが決まっていますが、この子は運転士のさじ加減でブレーキの強さが変わってきます。
微妙なブレーキ管への空気の出し入れで、無段階にブレーキを強くしたり弱くしたりできるのはいいですが、欲しいブレーキ力を1回で入れる為には経験と勘が要求されます。
あとは空気の流れでブレーキを効かせるので長編成になればなるほど、直ぐにブレーキが効いてこない、ブレーキが抜ききれずショックが発生するといった運転士泣かせな一面もあります。
城端駅から2駅目。
福光駅では列車の行き違いを行います。
意外にも城端線は1時間に1本程度の列車本数があるのでちょくちょく列車交換を行います。
なんか右の建物に客車とSLの絵が描いてありますね。
駅外の建物っぽいですけど…
さらに3駅進んで高儀駅を発車します。
右側にホームがありますが、左側にもホーム跡がありますね。
お察しの通り、元々この駅は2面2戦の駅でしたが、1面1線に規模縮小されたみたいですね。
こうして設備を廃止することで維持管理費を減らすのは赤字路線あるあるですね。
JRのままにしておくと稼ぐが目的になってどんどんと不便になるのは目に見えているので、数年後をめどに3セク化する話が出ているみたいですね。
3セク化すれば列車本数を増やすこともできるかもしれないので、設備を無くさなかったら良かったと思える日がくるかもしれないですね。
そういえば私が乗っているこの列車には、乗車人員調査員さんが乗車されていますね。
2両目に待機していて各駅発車後に車内を回って人数調査をしているので、ちょっとうっとうしいと思ってしまったのは私だけではないでしょうね…
列車は2駅進んで砺波駅を発車します。
ここでも列車交換を行いました。
さて今から珍しい鉄道設備を見ることができます。
単線路線でしか見ることができない奴なんですよね~。
って言ってもなんのこっちゃとなるかもしれないので、ヒントがあります。
珍しい信号機があるので目を皿にして見て下さいね。
ちなみにさっき見えてた信号機はいたって普通の場内信号機です。
まもなく左側にある信号機に注目して下さい。
はい、これです。
普通に考えたらおかしいことが起こっていますが分かりますかね?
さて先ほどの信号機。
その名を遠方信号機と言います。
この信号機は単線区間の場内信号機の手前に設置されています。
遠方信号機の見分け方は簡単で信号機の背板が長方形になっているだけでなく、普通の鉄道信号では考えられない現示方をしています。
というのも単線区間の場合、一方の方向の信号機に進行を指示する信号を現示をした場合、その反対方向の信号機には停止信号を現示しないといけません。
この列車は高岡方面行きで、私は後面展望をしているのでこの視界に見える城端方面行きの信号機は全て赤色でないといけません。
現に、いま見えた場内信号機は赤色の停止信号を現示しています。
ところがまもなく見える遠方信号機は黄色の注意信号を現示しています。
詳しく説明すると話が長くなるのですが、ざっくりいうと列車に対して次の信号機。
つまり場内信号機の現示を予告するために使用されています。
じゃあ中継信号機でええやんと思われたそこのあなた鋭いですね。
ただそれだと防護区間を持たず列車速度を制限できない弱点があります。
じゃあ閉そく信号機ならと思われたあなた、それも鋭いですね。
でもそれだと軌道回路を追加で設けないといけないので設備コストが高くなっちゃいますね。
話を戻して遠方信号機は場内信号機の1つ上の現示をするので、場内信号機が赤の停止なら黄色の注意を、注意なら減速を、進行なら進行信号を現示するようになっており、停止信号は存在しません。
一般的な鉄道知識でこの信号機を初見で見た時、列車が存在してる区間で反対方向の信号機が進行を指示する信号を現示するなんて、列車衝突が起こるのではないかと不安になりますが、遠方信号機はこんなちょっと変わった信号現示をする珍しい信号機になります。
設置数が少ない信号機なので知らない人も多くいるでしょうし、今度詳しく解説動画を作ってみようかな?
と長々と話しているうちに列車は新高岡駅に到着です。
って今気付いたのですが、画面右上にある蓋が開いていますねww
ハンドルみたいなのがあったと思うのですが、あのハンドルをくるくる回すと正面の行先表示器の行先を変更することができます。
大体の列車は電動で動きますけど、こういった古い列車はいまだに手回しが残っていますね。
でいちいち、終着駅に着いた度に蓋を開けて→行先を回して→蓋を閉めてってするのはめんどくさいですからね。
蓋を開けっ放しにしとけやって気持ちは痛いほど分かりますね。
ただこの手の場合マニュアル的には閉めろってなっているのであんまり深くは突っ込みませんが、そこは乗務員のさじ加減って感じですね。
というか今どきの列車はLEDの行先表示器なのにいつまでも手回しを残しているのもどうかと思いますけどね。
さて新高岡駅を発車して次は終点の高岡です。
ここの1区間が一番乗客数が多いですね。
それもそのはずで新高岡駅では北陸新幹線に乗換えができます。
で、町の中心部である高岡駅に移動する人の需要があります。
その為か、新高岡駅では今までで一番多い人が乗降し、いきなり乗車率が倍ぐらいになりました。
とは言っても新高岡駅に止まる新幹線は区間運転のつるぎと東京まで直通するはくたかになります。
残念ながら最速達のかがやきは一部の臨時列車が停車するのみで定期列車は全て通過してしまいます。
開業当初は1日1本止まっていたみたいですが、利用者が少ないので減らされたみたいですね。
なので東京方面から来る場合は時間をかけてはくたかで来るか、富山駅でかがやきからつるぎに乗換える必要があります。
地元的にはかがやきを止めろってなるんでしょうけど、現実は厳しいでしょうね。
どこも最速達の列車を止めろと場合によっては権力を使って要望を出すのはいいですけど、需要が無かった時の責任を取って欲しいと感じてしまいますね。
列車はまもなく高岡駅に到着します。
今、線路が1本左側に分岐しました。
高岡駅の城端線ホームは1面2線なのですが、カーブを曲がった先のすぐにホームがあるので、大分手前から分岐しているみたいですね。
京王線の新宿みたいといえば知っている人には分かって貰えるかもしれませんね。
高岡駅では氷見線、あいの風とやま鉄道、路面電車の万葉線に乗換えすることができます。
列車は緩やかにカーブを描きながら右から見える、あいの風とやま鉄道に合流します。
元々はJRだったのであいの風とやま鉄道方面への分岐の線路がありますね。
高岡駅で下車します。
列車はここで折り返しますが、高岡駅から先に進んだところにちょっとした車両基地があります。
高岡運転派出って書かれてますね。
ううっ…。プライベートの時間にこういうものは見たくない…
ちょうど運転士さんが中に入ったので今から休憩時間なんでしょうね。
富山方面から列車が入換してきました。
なんか運転士さんと話し込んでいますね。
これからの打合せかな?
話が終わったようですね。
あんな感じで打合せを行うのってたまーにあるんですけど、マジで何言ってるのか聞き取れないことが多々あるんですよねww
しかも気動車だと、自車のエンジン音で余計に聞き取れなさそうですねww
列車はそのまま城端方面に入換していきます。
係員さんが転てつ器に向かっていますね。
一般的な転てつ器は電動で転換させますが、ここには手動で動かす俗に言うダルマ式転てつ器が設置されていますね。
ハンドルを右又は左に動かすことで線路を切替えることができます。
はい、転換。
どうですか?実にあっさりしていますね。
さて城端行きが発車する時間になりました。
先程もお伝えしましたが、城端線はワンマン列車。
運転士さんがわざわざ列車から降りて、階段まで赴き乗車するお客さんがいないのか確認をしています。
めっちゃ優しいですね。
というか運転席から階段が見える位置に停車するなり、カメラを設置してあげてたらいいのに…
そして安全作業?なにそれ美味しいのってぐらいの段差を超えて列車に乗り込みます。
この段差の餌食になってこける人が何人いることやら…
ドア閉。
車側の安全を確かめて、運転席に移動して列車は発車していきます。
あっ…
後ろの階段からお客さんが降りて来ちゃいましたね。
次の列車をお待ちください。
と思ったら、起動した列車が再停止。
車側灯が付いたので乗せてあげるみたいですね。
これは優しい…
列車本数が少ないからって理由があるんでしょうけど、私なら1回閉めたドアを開けなおさないですね。
起動した直後に止まると車内転倒のリスクがありますし、急に止まるとは何事やみたいなご意見がありますからね。
基本的に時間厳守しないといけないと思ってしまうので、そのまま発車するでしょうね。
再びドアを閉めなおして、心機一転改めて列車は発車していきます。
はい、ばいばーい。
話は戻して、先ほど入換していた列車。
列車移動禁止表示旗を表示していますね。
なにかと思えば給油中ですね。
お腹いっぱいになるんだよ~。
さて城端行きが発車してすぐに列車が入線する旨の放送が…
一体、何が来るのかと思っていると変な列車が接近していますね。
緑の車体に金のライン。
城端駅で見た立て看板の本物が来ましたね。
べるもんたは今乗車してきた城端線と次に乗りに行く氷見線を走る観光列車です。
この高岡駅で相互の路線を運転するために、あいの風とやま鉄道の線路を使ってアクロバティックに入換え作業を行うのが有名みたいですね。
入換え作業だけ乗りに行きたい!!
今回はJR西日本の飛び地路線、城端線のご紹介でした。
次回は同じく飛び地路線である氷見線と、JR唯一路線名を持つ貨物線を見に行きます。
気になる方はチャンネル登録をしてお待ちください。
それではさようなら。
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