チケットレスを車掌が嫌う訳 やっぱり紙が最強【ゆっくり運転士のひとりごと】

ひとりごと

最近はチケットレスで特急に乗る人が多いと思います。
鉄道会社もチケットレスのお客さんを増やそうとしていますが、実は車掌的にはありがた迷惑な話しなんです。
車掌しか知らない裏話を解説します。
それでは出発進行。

皆さんはチケットレスを利用したことがあるでしょうか?
お客さん的にチケットレスの利点と言えば、わざわざ駅に行って切符を買わなくても好きな時間に予約して、切符を受け取らなくてもそのまま電車に乗れ時間短縮になる利点があると思います。
会社的にもチケットレスの人が増えれば、窓口を訪れるお客さんが減って窓口を閉鎖して人件費を削れたり、窓口の混雑緩和に繋がったりしてお互いにwinwinなことが多いです。
しかしながら車掌にとっては災いをもたらすことになります。

チケットレスを普及させれば窓口を減らせます

チケットレスで乗ってきた人のトラブルで1番多いのが、席がないと騒がれることです。
自分の指定したはずの席に赴くと誰かが座っている…おい車掌どないなっとんねんといったパターンが多いです。
今の時代、座席をダブルブッキングしていることはそうそうあることでは無いので、別の原因を探る必要があります。
まずはお互いの特急券なり座席指定券を確認する訳ですが、この時1人が紙のキップもう1人がチケットレスで乗車しているなら、チケットレスの人がおかしいことがほぼ確定します。
ただ念の為、紙の切符を確認して乗車する電車と座席を確認して問題の無いことは確認しておいた方がいいのは間違いないです。
ではなぜチケットレスの人が間違っていると断言できるのか、それはこういったパターンの場合総じてチケットレスで切符が取れていないことがかなりの割合を占めています。
紙の切符なら発券された時点でそこの席は確実に押さえていますが、お客さんが自分で席を押さえるチケットレスでは何らかの原因で席を押さえられていないことが多々あります。
ただ、この事実をお客さんに伝えたとしても残念ながらすぐに納得してくれないのが車掌にとってチケットレスが嫌がられる要因の1つになっています。

ではなぜチケットレスで切符が購入出来なかったのでしょうか?
1番よくある理由が決済出来ていないからです。
チケットレスで切符を購入しようとするとまず乗りたい電車を選択→希望の座席を選択→個人情報の入力→決済方法の入力といった手順になります。

①希望の電車を選択
②希望の座席を選択
③予約を確認する

決済方法の入力まで終わった後、総じて確認するといったコマンドを押すと確認画面に移行します。
この時、まだ決済されてませんとの旨の表示がされるわけですが、この時点で予約出来たと勘違いする人がいます。
で、なまじ希望した座席を選んでいるので自分の座る席を覚えている訳で、電車に乗ってその座席に行くと知らない誰かが座っているとなるのです。
他にもクレジットカードの不具合で決済できていないのに、決済出来たと勘違いしているパターンもあります。
この手の場合、総じて決済後の確認メールが届いていないのでそこでおかしいぞと気付いてくれればいいですが、中には気付いていても大丈夫かと放置する人も多々います。
こういったお客さんには予約確認の画面から予約した内容を確認して貰って、ほら予約できていないですよねといえばそこそこ納得してくれる訳ですが、この技が通じない面倒くさいお客さんもいます。

チケットレスを利用する際、基本的には予約した人本人と同行する人に限定して利用することが出来ます。

チケットレスは基本的に本人しか使えない

でもこのルールを知ってか知らずかルールを逸脱する人がいます。
よくあるパターンが家族に予約を取って貰ったと言う人ですね。
画面を印刷した紙や画像を見せてきて私の席がないと言われるわけですが、予約画面で確認して下さいと言っても自分で予約していないのでそれが出来ないわけです。
なんで私の席がないねんって言われますが、こっちはそんなことは知りません。
分かっていることは席がないことだけです。
先述の原因以外に、予約した人が予約変更したり、払い戻したり原因は色々考えられますが、そんなことはこちらは感知していないので私にはどうしようもありません。
なので再度お金を払って貰って別の席を用意する段取りになりますが、まぁ納得はしてくれないんですよね。
予約した本人がいれば話しが早いですが、その本人がいない以上私も憶測で応対するしかなく、お客さん自身も予約した人に全幅の信頼を寄せているので納得することはありません
時代の流れからして会社は積極的にチケットレスの推進をしていますが、車掌的にはお客さん起因のトラブルを生むチケットレスは取扱いが難しい部分があります。
安く買えるチケットレスはその反面、操作ミスによる不都合はお客さんが被らないといけないということを理解して貰わないといけませんが、なかなかそうはいきません。
それならいっそのこと紙の切符を買って乗ってくれと思う車掌の裏話でした。

こんなことを言ったらダメなんでしょうが、自分でチケットレスの購入をできないのに、それを使って電車に乗るのどうかと思うんですよね…
だって何かトラブルがあったら対応できないじゃないですか…
時代に対して対応できていない人に優しくないって声があると思うのですが、1から10までやって貰えることなんてどこの業界でもなくないですか?

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