本来は立場上、上であるはずの管理職。
でも鉄道会社ではヒラのじじいの方が偉い謎現象が起こっています。
1人のワガママで周りが処分される。
鉄道会社の現実が暴露されたニュースがありました。
最後までご覧いただければ、鉄道会社内の裏事情を知ってもらえると思います。
今回はニュース記事を引用しつつ、助役って?、じじいが偉いわけ、中間管理職の苦悩の3点に絞って解説します。
それでは出発進行。

ニュース記事を引用
東海テレビより引用します。
鉄道会社の60代運転士がアルコール検査せず列車を運転 数年前からで監督者も黙認「ベテランで指摘しづらかった」(東海テレビ) – Yahoo!ニュース
引用終了。
助役って?
記事内にあった監督者。
鉄道会社内では助役という立場の人間になります。
助役って聞いて皆さんはどんな役職かご存じですかね?
鉄道業界独特の役職なのでご存じない方もいらっしゃるかも知れません。
まずは助役が何者かってことを解説しましょう。
鉄道会社に運輸系で入社するとまずは駅員からスタートします。
で、試験を経て車掌・運転士となります。
ここまでは皆さんご承知おきだと思いますが、これらの人は一般的な会社で言うとヒラの会社員です。
まぁ運転士になれば主任ぐらいのイメージかもしれません。
で、それぞれのポジションである程度の年齢になれば、助役になるための試験を受けることができます。
晴れて助役になれるのは大体30歳代後半から40歳代にかけて、一般的な会社で言うと課長になるぐらいの年齢でしょうか?
たまーに30歳前半みたいな若ーい助役がいることがありますが、大体ああいう人は総合職で入社したエリートなので、一般的な現場職で入った人とは出世スピードが全く異なります。
話を戻して、助役の仕事は駅員や車掌、運転士などを管理監督する立場で、平たく言えば管理職の立場になります。
なので本来、平社員である駅員・車掌・運転士は立場上の上役である助役の指示に従って仕事をする必要があります。
とまぁ一般的な会社で考えても当たり前のことを言ったつもりなのですが、これが出来ないのが鉄道会社。
世間の認識とはズレまくりです。

じじいが偉いわけ
鉄道会社は良くも悪くも年功序列です。
特に大事なのがいつに入社したのか。
入社歴が長ければ長いほどデカい態度をとれる謎文化があります。
なにが一番悪いかって言うと、基本的に職場が固定されているので、その中での村社会が形成されています。
というのもある程度職場間の異動があるものの、異動できる場所は限られています。
特に乗務員。
JRのような大きな会社ならいくつも乗務区がありますが、大手私鉄でも本線が1つしかないような鉄道会社なら、乗務区が両端に2つしかないみたいなパターンもあります。
しかも同じ路線で働いていれば顔なじみになるわけで、異動したとしても大した流動性はないことになります。
そんな環境で20年、30年と働いていれば、人間関係が固定されどうしても昔からの人間が権力を握ることになります。

あとよくないのが助役が昔のことを知らないと言うこと。
鉄道会社でも特に乗務員は、様々なルールに縛られて仕事をすることになります。
そのルールは過去の失敗やミスから作り出されており、このルールを変えたいと思っても当時の成り立ちを知らないといったことが多発します。
そら10年とか20年前のできごとをきっかけにできたみたいなことはざらにあるので、ずっーと昔から乗務区にいてるベテラン乗務員しかその経緯を知らないといったことが発生します。
そうなれば助役は知っている乗務員に経緯を聞きに行くわけで、ベテラン乗務員からしたら「こいつに教えたってる」といった謎のマウントが始まることになります。
さらに助役になるということは、車掌や運転士から昇格したということになります。
車掌や運転士時代に、乗務区のベテラン乗務員からいろいろ可愛がって?貰っていたわけで、今まで下の立場で人間関係を構築していた中、助役になってベテラン乗務員に意見するなんてなかなか難しいものがあります。
まぁそんなこんなで役職的な上下よりも、年齢的な上下が優先される風土ができあがってしまい、今回のような話を生み出してしまうことになります。
中間管理職の苦悩
本来であれば今回のような出来事があった場合、助役が当該運転士に対してしっかりとアルコールチェックをしろと指導することが当たり前です。
でも残念ながら全ての助役が見て見ぬふりをしていたこととなります。
自動で数値をコンピュータに残す運用なら、アルコールチェックをしていないことを知りませんでしたで逃げれるかも知れませんが、やっていないアルコールチェック後の数値を手書きで書き込んで残していたとなれば悪く言えば、改ざんにも手をそめていたことになります。
結果としては最悪ですね。
まぁこんなことがまかり通っていたのはどうかと思います。
だって若い運転士が仮に同じことをすれば確実に助役から大目玉でしょうし、他の運転士は普通にやっていたとすれば、1人のワガママを許す職場環境はいかがなものだと思いますね。
まぁそういった不満から運輸局にチクられたんでしょうね。
こればっかりは会社全体の風土の問題なので助役にどうこうできる問題では無いかもしれませんが、指導しないといけないのは間違いないので中間管理職の難しいところですね。
ただ下手に注意したらベテラン乗務員から嫌われてしょーもない嫌がらせに発展することもあるので、マジで鉄道会社の悪い一面になりますね。
良くも悪くも鉄道会社は昔ながらの村社会なので、それがゆえにベテランの悪事に指導しにくいといった事情があります。
ただこれを見過ごせば他の人が不満を抱くのは間違いなく、結果世間にバレて会社がえらい目に遭うことが表面化されました。
年齢に関係なく平等に正しい指導が行われることを願っておきます。
あと再発防止としてアルコールチェックの結果を人が記録するのではなく機械が記録するようにしますとなっていますが、運転士が意図的にアルコールチェックをせずに助役に対してやってもないのにやりましたと申告して助役もそれを黙認すれば、なんの意味もないことを最後に書き添えておきます。

裏話
社員全体の利益に繋がるようなワガママってめっちゃ有益だなぁとは思いますが、大体この手の老害って自分のことだけなんですよね。
で、本来は注意しないといけない立場の人間が何も言わなければ、なんであいつは許されてるねんと周りが不満に思います。
で、裏で皆が色々と文句を言うまでがワンセットです。
こんな職場環境が良くないってことは皆さんよく分かりますよね。
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