謎の踏切 電車が来ないのに閉まって開くのはなぜ?【ゆっくり運転士の鉄道旅】

旅行記

カーンカーンカーン
踏切が閉まれば電車がやってきます。
ところが踏切が鳴っても電車が来ないちょっと変わった踏切があります。
今回はそんな変わった踏切のご紹介です。
それでは出発進行。

電車が来ないのに閉まる踏切があります

と言うわけで、新大阪から乗るのはのぞみ号。
問題のスポットまではちょっと長旅になります。
到着したのは地味に初めて乗るN700S。
運用開始から早2年。ようやく初乗車です。

まずはN700S

さて問題はこのN700Sがどのパターンの車両であるのかですが、それは車内に入れば分かります。

いざ車内へ!!

あっ、車椅子スペースが6台分あるパターンですね。

車椅子スペースが広いN700S

従来は3人席の部分の通路側の席を無くしてそこに車椅子の方にご乗車頂き、必要に応じて横の座席にも移動していただける配置で最大2人分でしたが、N700Sの一部車両では車椅子スペースが広げられ、2列席を廃止して最大6人分の車椅子スペースを確保しています。
団体で車椅子を利用するときなど利用できないときがあると色々な所から要望があったみたいでこの配置になった訳ですが、従来の2人分のスペースで乗り切れないバターンがどれだけあったのかは気になりますね。
在来線のように本数が少ない特急ならいざしれず、高頻度でくる新幹線ならここまで必要なのかなぁと少々疑問ですが、こだまとかしか乗れないとなると待ち時間が長くなるので必要なんですかね?
繁忙期なら満席になる東海道新幹線で一般座席を7席分削ってしまうのは収入面からちょっともったいない感じがしますね。
それと何らかのトラブルで車両変更があったときに、座席数が変わってしまうのは車掌的にはちょっとめんどくさい電車ですね。
個人的にはバスの座席みたいに、普段は座席、車椅子の方がご乗車する際には座席を跳ね上げてご乗車頂く、そんなシートがあれば便利そうですね。
さて電車は無事に新大阪駅を発車。
今回の旅のお供はこちらの東海道新幹線弁当を用意しました。

今回の旅のお供!!
美味しそう!!

中身はこんな感じで、アサリの深川めしと穴子の蒲焼がまず目に飛び込んできますね、
おかずはエビフライに味噌カツ。地味にこのたこ煮がいい味を出してました。
お弁当には絶対必要なものを忘れていました。
今回は檸檬堂のチューハイを買っておきました。
それではいただきます。
あとは旅のお供も。
と言うわけでいただきまーす。
さてご機嫌でお昼寝をしていると品川駅を発車していました。降りる準備をしておきましょう。

田町車両センターを通過すればもうすぐ東京駅

さぁ東京駅に到着。

中央線にお乗り換え

まずは中央線に乗り換えです。
中央線の武蔵境駅に到着。

中央線で武蔵境に来ました

ここからもう一回乗換えます。
次に乗換えるのは西武多摩川線。

次は西武多摩川線にお乗り換え

この路線は自社の他路線と一切接続が無い変わった路線。
関西ならどこかしらで自分の会社の路線と繋がっているので、なんか不思議な感覚になりますね。
普通線路を引くときはどっかの駅から分岐させてって考え方で新設されますが、ここは過去に買収された路線なので、他の西武線と接続が無いみたいですね。
そうこうしているうちに電車が到着。
到着したのは新101系。
うわぁ‼
この子電磁直通ブレーキなの?
完全に油断してました。
という訳で是政行きに乗車しましょう。
是政って読むの難しくないですか?

左から電流計、速度計、圧力計、圧力計

電磁直通ブレーキ車は圧力計が2つあるのが特徴ですよね。
電車の前から後ろまで空気配管が通され、この空気が抜けたら非常ブレーキが作用する物で、一気に空気を抜くが為に大きな音がするんですよね。
でその空気配管の圧力を表示するために、電気指令車と比べて1個余分に圧力計が付いています。
最近の電車は空気配管の代わりに電気回路になっているのでこの音を聞けるのも珍しいですね。
さて西武多摩川線は全線単線の路線。
12分間隔で運転されているので時刻表とか覚えやすそうですね。

武蔵境から一駅、新小金井で下車

一駅だけ乗って降り立った駅は新小金井駅。
ここにお目当てのものがあります。

手前が武蔵境方面、奥が是政方面ホーム

さてまずは構内をみてみると、2面2線で行き違いが出来る構造で、改札は武蔵境方面にしかありません。

左の是政方面へは構内踏切を渡って移動する

是政方面に行く場合は構内踏切を渡る必要があります。
最近は数を減らしつつある構内踏切ですが、ここの踏切はちょっと変わった動きをします。
という訳で踏切が動き出すまで待機。

構内踏切を是政方面ホームから望む

さぁ踏切が鳴り始めました。
まずは普通に動作する踏切を確認しましょう。

踏切が閉まりました

警報機が鳴って、遮断桿が閉まりました。
電車が来るまで少し時間があるわけですが、この時間は万が一踏切で立ち往生などのトラブルがあったときに、緊急信号を受信した電車が踏切までに止まれる距離を考慮した時間分閉まっています。
なので緩急差がある電車が通過する踏切はこの時間が長くなってしまうんですよね。

武蔵境行きが左→右へ通過

さてそうこう話しているうちに電車が通過。
西武と言えば黄色のイメージが強いですが、復刻塗装の赤電が通過していきます。
今の黄色の前はこの塗装だったみたいですが、多摩川線100周年記念イベントの一環で赤電塗装が復活したみたいですね。
そして電車が通過すれば踏切が上がります。
さてこのなんともない踏切が今から不思議な挙動をします。

さっきと同じように遮断桿が下がりましたが…

警報が鳴り始めて、渡っている人が渡りきれる時間を考慮して遮断桿が閉まり始めましたが、ここまでは普通の踏切と何ら変わりはありません。
あとは電車が通過して、遮断桿が上昇するのを待つだけです。

電車が通過しないのに踏切が開きました

と思ったら電車が通過していないにも関わらず遮断桿が上昇してしまいました。
通行人の男性は遮断桿が上がったので普通に踏切を渡り始めました。
と、突然また遮断桿が降下してきました。

そしてすぐ遮断桿が閉まりました

10秒にも満たない間に遮断桿が上昇と降下を繰り返したわけですが、急に故障してしまったのでしょうか?
それとも通行人の男性が踏切を開ける魔法の手段を使ったのか?
踏切が急に上がった原因を考えていると、今度はちゃんと電車が通過していきました。
電車が通過しないにも関わらず、一旦遮断桿が上昇したちょっと不思議な踏切。
そこには実はちゃんとした理由があるんです。

今度は構内踏切を武蔵境方面ホームから望む

というわけで別角度から見てみましょう。
ホームには既に武蔵境駅行きが到着しています。

遮断桿が閉まりました

踏切が鳴り始めて遮断桿が降下しました。

奥のホームに是政行きが到着

反対側のホームには是政行きの電車が到着しました。

是政行きの電車が止まれば遮断桿が上がりました

電車が所定位置に停車すると踏切が開きました。
この角度から見たら、電車が到着した後に踏切が開いていたんですね。

再び踏切が閉まって

武蔵境行きの電車が発車していく中、踏切が再び閉まります。
今回は通行人がいませんでしたが、先ほどの男性は踏切が開いたタイミングで改札がある武蔵境行きホームから是政行きホームに移動することができ、今到着している電車に乗車することが出来ます。

是政行きが発車

乗車する人がいないことを確認した、是政行きの電車はゆっくりと発車していきます。
閉まったり開いたり忙しいこの踏切。
電車が通過しないにも関わらずなぜ踏切が閉まったのか?
それは踏切の安全を担保するためです。

電車が停止位置を誤って超えてしまうと?

電車はホームに入駅して所定の位置に停車しましたが、運転士のミスや気象上の悪条件により時として停止位置を超えてしまう場合があります。

踏切まで到達するかも…

そうなった場合、停止位置の近くにあるこの構内踏切を電車が超えてしまうかもしれません。
もしその時、お客さんが踏切を渡っていたら、そこで人身事故が発生してしまいます。
なので電車が万が一過走して踏切を通過しても事故を起こさないため、安全上あらかじめ踏切を閉めておくようにしています。

ずっと閉めていると乗れないお客さんが…

ところが、あらかじめ踏切を閉めてしまうと1つ大きな問題が発生します。
そう、電車に乗ろうとギリギリに駅にきたお客さんがいた場合、目の前に電車が来たにも関わらず、踏切が閉まっているがために電車に乗れないといった残念な状況になります。
なんで踏切が閉まってるんだ、おかげで電車に乗れなかったとご意見を貰うことは必須ですし、人によっては踏切が閉まっているにも関わらず無理に横断する人がいます。
なので、電車が停まったことを検知したあとに一旦踏切を上げることで、少しでもお客さんが便利に電車に乗れる心遣いがなされています。
この様な取扱いは、停止位置に近い構内踏切がある駅で見ることが出来ますが、場所によっては電車が止まっても踏切が上がらないことも多々あります。
その駅では残念ながら次の電車まで待たないといけなくなってしまいますが、そもそも構内踏切がある駅が減ってきているので、皆さんにはあまり馴染みの無い風景かもしれませんね。
さて今回は電車が通らないのに閉まっていた踏切が一旦開く。
ちょっと変わった踏切のご紹介でした。

今は珍しい構内踏切から撮影

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