絶滅危惧種!! 磁気カード乗車券の裏話【ゆっくり運転士のひとりごと】

ひとりごと

はじめに

最近はなくなりつつある磁気カード乗車券。
絶滅すると不満を言えないので今のうちに喋っておきます。
取扱いが面倒くさい磁気カード乗車券の駅員の不満です。
それでは出発進行。

磁気カード乗車券が嫌いな訳ってなぜ?

磁気カード乗車券って?

磁気カード乗車券って言われてぱっと何か思いつきますか?
JRで言うとオレンジカード

オレンジカード・Jスルーカード

関西圏の人にはJスルーカードやスルッとKANSAIカードなどなど事前にお金を払ってカードを買って、電車に乗るときはそのカードを改札機に通せば、残高がなくなるまで使えるもので、他業種で言えばテレホンカードや図書カードみたいなものですね。

スルッとKANSAIカード

磁気カード乗車券は様々な会社から発行され色々なデザインがあって集めていたよって言う人もいると思いますが、現在その役割はSuicaやICOCAなどICカードに置き換えられています。
そしてこの磁気カード乗車券は主に2つの種類があって1つはICカードみたいに好きな駅で乗って好きな駅で降りてそのカードの残額の範囲で自由に乗り降りできるプリペイドタイプのものと、事前に指定された区間の金額を支払う回数券タイプのものがあります。
この2つのものでそれぞれが面倒くさいポイントがあります。

プリペイドタイプの面倒くさポイント

プリペイドタイプの磁気カード乗車券らカード内の残額内で自由に乗り降りできる訳ですが、運賃が足りないときの精算にも使用できます。
例えば切符を使って電車に乗った後乗越し精算をしたい場合、精算機に切符を入れて、追加で磁気カード乗車券を入れるとその中から足りていない金額をカード内の残額から支払うことが出来ます。
で問題は乗越し精算機を使えない切符で足りていない不足分を磁気カード乗車券で精算したいと言われた時です。
機械を使って自動で出来なければ駅員が自分で精算しないといけません。
手順としてはまずお客さんから切符と磁気カード乗車券を預かっていくら精算が必要なのか確認します。
でここからがポイントで次に改札機を開けに行きます。

改札機の操作盤を操作して磁気カードを処理します

改札機の中を開けると、操作盤があるのですがこの操作盤を操作して、次に通すカードから残額何円分引くと設定して、磁気カード乗車券を改札機に1回通します。
そうすると自分が設定した金額分、磁気カード乗車券から引かれるので確認してお客さんに返却する流れになります。 
なにが面倒くさいって、一々改札機を操作しないといけないって言うのもありますけど、手入力で何円分引くって設定するので間違った金額を引いてしまうことがあります。
少なく引いたらもう一回やり直せばいいだけなんですけど、万が一多く引いてしまうとカードを再発行しないといけなくなるのでめちゃくちゃ手間です。
まぁ自分のミスなんですけどね…
駅員が自分で精算しないといけないパターンは他にもあって、ICカードの残額が無くて精算したいけど現金の持ち合わせが無いとか、本当はお金を持ってるけどどうしてもカードから引いて欲しいみたいなお客さんから要望されてこの手順をやらないといけないことがたまーにあります。

回数券タイプの面倒くさポイント

お客さんの中には電車に乗るために改札を通ったのに時として電車に乗ることを辞めようとする人がいます。
普通の切符を使っていたなら切符を回収してお金を返却、ICカードなら乗車した記録を係員の端末で消すだけなのですが、回数券タイプの磁気カード乗車券ならそうはいきません。

回数券タイプはまた違います

というのも回数券タイプの磁気カード乗車券は、電車に乗ろうと改札機にカードを通した時点で既に1回使いましたと記録されてしまいます。
乗るのを辞めたのに乗れる回数が1回分減った切符で納得してくれる人ならいいですがそんな人はまぁいないでしょ。
お客さんの都合で乗るのを辞めたんですよねって言いたい気持ちをぐっと抑えて、カードを新しく作り直す為、お客さんからカードを預かります、
何円区間で何回分残っているカードを新しく作り直さないといけないのかを確認して、券売機の裏側に向かいます。

今度は券売機で処理します

券売機の裏側にはまたまた操作盤があるので、新しく作ろうとしているカードの情報を打ち込みます。
で打ち込んだら、新しいカードを券売機に投入すると、自分が設定した何円区間の何回分残ったカードを作り直すことが出来ます。
あとはお客さんと一緒に、古いカードと新しいカードを見比べて間違いなく1回分戻ったカードであることを確認して、新しいカードをお渡しします。
ここで間違っても古いカードを渡してはいけなせん。
たまーに間違って古いカードを渡しちゃう時があるんですけどそれだとなんの意味もないですからね。
で、古いカードはちゃんと保管してしかるべき処理をしないといけないのでお客さんに返しちゃったとかなれば大問題です。
さて今回は絶滅危惧種になりつつあるカード式乗車券の面倒くさい話について解説しました。
なんらかの原因でカードに書き込んだり、作り直したりすることは手間がかかっていることを知って貰えたと思います。

裏話

ここまで手間がかかっていることを知って貰えたと思うんですけど、この作業自体はそんなに難しくは無いんですよね。
ただ、一々改札機や券売機を使って作業をしないといけないので、ちょっと時間がかかります。
お客さんにもちょっと時間がかかりますとは声かけをするんですけど、人によってはめちゃくちゃ急かしてくるんですよね…
でその結果、カードを返すときの相互確認がおざなりになって、カードから引く金額を間違ったり、間違ったカードを返却してしまったり色んなミスが生まれるわけです。
でそれがバレなきゃいいんですけど、後日お客さんから申告があったときは事実確認も難しく余計に話しがややこしくなります。
ミスしたら怒られるのは自分なので私はどれだけ急かされようと淡々とやるようにしていましたね。

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