完全なもらい事故なのになぜ運転士が悪くなってしまうのか?【ゆっくり運転士の鉄道ニュース】

鉄道ニュース

仕事上での助け合い。
とても大事なことですが、一線を越えると行政処分がくだります。
車掌発端のトラブルですが、罪が重いのは運転士の方です。
なぜこんなことが起こるのかニュース記事を引用しつつ、車掌の罪は?・運転士の罪は?・助け合いのリスクの3点に絞って解説します。
それでは出発進行。

共同通信より引用です。

JR西日本は18日、山陽新幹線の運転士が16日、走行中にもかかわらず運転席を約5秒間離れたと発表した。
ダイヤの乱れなど影響はなかったが、社内規定に違反しており、国に報告した。
大阪―新神戸間を走行していたこだま845号の車内で、必要な鍵を所持していなかった車掌が鍵を借りようと運転席を訪れ、40代の男性運転士が一時離席して対応した。
車掌が報告をし、発覚した。

処分は今後検討するという。

今回のトラブルの発端である車掌
この人の罪としてはちゃんと報告しなかったことになります。
鍵を受け取り忘れたのか、置き忘れたのかは判別としませんが、電車に乗務したあとに必要な携帯品を持っていないようなことがあった場合どうするのか?手順は定められています。
基本的には指令無線を通じて運輸指令に報告したり、業務スマホで乗務区に電話して、これからどうしたらよいのか指示を仰ぐのがセオリーになります。
忘れた鍵を送って貰うのか、駅などに備え付けられている緊急用の鍵を借りるのか、次駅で運転士から借りるのか。
どう対処するのかはその時々ですが、車掌としては指示を受けてそれに従えば良いだけの簡単な話です。  
で、乗務区に帰ってから当務助役や指導助役などに怒られてごめんなさいするのが様式美です。
でもこの車掌は、運転中の運転士に借りに行くという最悪の考え方に至ってしまいました。
無線を使って報告したら周りの人間にバレて茶化される。
助役から指導を受けてる様子がみっともない。
咄嗟にどうしたらよいのか分からなくなった。
正規の手順を踏めなかった理由は色々考えられますが、これらをしなかった結果車掌は社内的な処分を喰らうことになります。
成績が下がる、減給を喰らう。
これぐらいですめばいいですが、車掌を降ろされる、関連会社に飛ばされる。
まで普通に考えられます。
とはいえことの発端は車掌の責任であり、甘んじて受け入れないといけない訳ですが、この件で1番の被害者は運転士になります。

車掌はしっかりと報告しなかったのが罪

運転士も車掌と同様ルールを逸脱したため社内処分を喰らうわけですが、さらに追加で行政処分も喰らいます。
運転士の方が罪が重いなんて可哀想と思われるかも知れませんが、残念ながら運転席を離れて乗務員室の鍵を開けに行くのは明確な法律違反になります。
動力車操縦者運転免許の取消等の基準の違反行為等の種類にはこう書かれています。
正当な理由なく列車の操縦中に運転席を離れた者
簡単に言えば、車が動いている最中にブレーキなどの操作ができない状態になればだめだよってことです。
もしこれに違反をすると、鉄道運転事故がない場合でも、30日間の免停になります。

運転士は免停を喰らいます

つまり今回、これに該当する可能性が非常に高いということですね。
電車が走っている最中に席を離れる行為はこんなにも罪が重いんです。
運転免許を与えられている以上、これはしょうがないんですよね。
さらに今回は電車の構造も悪さをしましたね。
乗務員室が狭い通勤電車なら座った状態で乗務員室のドアの鍵まで手が届いたりするんですけどね。
新幹線みたいな広いタイプなら歩いて開けにいかないといけません。
それでも皆さんは車掌がドア越しに鍵を貸してくれ~と言ってきても断ればええやんと言われるかも知れません。
まぁ確かにそうなのですが仕事をする以上、人間関係によって頭で考える前にやってしまったという気持ちも分からなくはないです。
車掌が自分よりも年上で依頼を断りずらかった。
車掌が同期で仲の良さからお願いを聞いてしまった。
車掌が親しい後輩で助けてあげたいと思ってしまった。
ダメだと思っていたとしても、助け合わないとという心が働いてしまったのは理解できなくもないですが、さすがに超えてはいけない一線を越えてしまったのは頂けないですね。

仕事をするにあたってお互いのミスをかばい合うのは多少なりともあるのが現実です。
それが明るみに出たときに怒られる程度は差があるにしても、今回は最悪のやつでした。
鍵を置き忘れていたり、受け取ってないことがバレたのか。
はたまた記事通りに本当に自分から事情を説明しにいったのか、なんらかの疑惑から事情聴取されている中で、話がおかしいぞとなって大騒ぎになったんだろうなぁとは推察されます。
あまり大きな声では言えませんが、車掌が運転士のことを巻き込んでしまった以上、せめて運転士が悪くないような言い訳を考えて貰わないと、巻き込まれた側としてはえらいとばっちりになります。
とはいえ流石に動力車操縦免許の違反基準に該当するような行為をしてまで、他人のミスを庇いに行くのは度が超えていますね。
なぜそこまでのことになってしまったのかは本人達のみが知るところですが、他人のミスを庇うのもほどほどにしておかないと自身に飛び火するのがよくわかりましたね。

助け合いもほどほどに…

こうなると上手く逃げる術が大事になりますね。
ほんと上手に逃げる人は口八丁手八丁で逃げるんですよww
知らぬ存ぜぬで逃げ切りを図りたいところですが、今回はだいぶ厳しそうですね…

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