はじめに
電車運転士がどれだけ稼いでいるのか知っていますか?
世間的に見て高給なのか薄給なのか?
データを交えて解説しつつ、今の若手は今後今の水準まで貰えない現実を解説します。
それでは出発進行。
ニュースを引用
ファイナンシャルフィールドより引用です。
ではこちらの図をご覧ください。
厚生労働省 職業情報提供サイトに掲載された情報をまとめたものになります。
大卒22歳で入社したとして運転士になれるまでの期間は会社によりまちまちですが、駅員→車掌→運転士とステップアップする過程において2~5年ほどかかります。
なので新人運転士は大体25歳~29歳ぐらいなので平均給与は500万円。
年齢が上がって40歳で約700万円、50歳で約750万円、定年前60歳は約700万円。
それ以降の年齢は大手では再雇用、65歳を超えると大手ではなく中小私鉄で雇用されていると考えられるのであんまり参考にならない年収ですね。
では皆さんこの年収を聞いてどう思われましたか?
意外と少ない?貰いすぎやろ~?
私は一言。
こんなに貰ってないわ!!
では年収の詳細をお話ししましょう。
給料の内訳
電車の運転士の年収はかなり複雑なことになっています。
まず基本給
この金額が多いほど残業や休日出勤した時、またボーナスで貰える額が多くなるのでマジで大事です。
残業や休日出勤をすれば時間外手当
そして扶養家族がいれば家族手当、特定の住宅に住んでいれば住宅手当など他の会社でもよく聞く手当があります。
ここからは鉄道会社での特殊な手当です。
まずは休日手当
平日以外の土日祝日や年末年始みたいな大型連休期間に勤務すれば1日何円とつく手当金です。
深夜・早朝手当
法律上、午後10時~午前5時に従業員を働かせた場合、支払わないといけない割増金です。
宿泊手当
鉄道会社では基本的に泊まり勤務になるので、1回会社に泊まった場合に何円とつく手当です。
職務手当
車掌や運転士になった場合1ヶ月でいくらかの手当を貰えます。
他の会社でいう役職手当みたいなものですね。
乗務手当
実際に列車で乗務した距離又は時間ごとに貰える手当です。
例えば1キロごとに何円とか、何時間ごとに何円と決められています。
さらに特殊な列車。
例えばワンマン列車みたいに通常のツーマン列車と比べて業務負荷が高い列車を担当した場合、単価が少し高かったりします。
中休手当
鉄道会社には中休という極悪非道な勤務があり、この勤務をした場合につく手当ですね。
と感じで他にもいろんな手当があります。
運転士の年収は?
とまぁ色々な手当があり全てを足したものが年収となるわけですが、実際問題として私はこの表にあるほどの年収は貰ってはいません。
では実際にどれくらいかと言うと全く残業や休日出勤をしなかったとしたらこの表から100万は少ないですね。
さてこれを聞かれて皆さんはどう思われたでしょうか?
電車の運転士の年収なんて所詮そんなもんです。
別記事で某jrは20代の運転士で300万台とあり地域によってはさらに下の水準です。
ぶっちゃけた話、運転士の年収水準はその会社によって全く異なります。
例えば前述した手当が全く無い会社もあれば、聞いたこと無いような手当がある会社。
同じ職務手当であっても月に1・2万しか貰えない会社もあれば、4・5万も貰える会社。
年収の大きなウエイトを占めるボーナスも基本給の4ヶ月弱しか貰えない会社もあれば、5・6ヶ月分も貰える会社。
これだけでも年間で百万円以上年収が変わってきます。
で、給料が安い会社なら少ない分、休日出勤で賄おうと考える人がいます。
まぁ休日出勤もどれだけ出来るのかは会社によってまちまちです。
例えば休日出勤なんて言語道断である。
やっても月1回。
ましてや2回もやるなんて酷いと考える会社もあれば、休日?何甘えてるの?13連勤しろよ。
おまえの休日は月3日やからみたいなヤバい会社もあります。
世の中には余分な金はいらない金より自分の時間が欲しいと考える人もいれば、とにかく今は稼ぎたいんだと考えている人もいるので一概にどちらが良いかとは言えませんが、基本給が低い会社は休日出勤しても大した額にならないことを書き添えておきます。
なので皆さんに一番言いたいことは、入りたい鉄道会社の年収はよく考えな調べなはれやってことです。
未来は年収減?
さてこの表を見た人からは将来的にこれだけ貰えたらOKっと言われるかも知れません。
でもその考え、ちょっと甘いかも知れません。
ここ数年は環境が良く、各社国からの要請もあり積極的に定期昇給だけで無くベースアップにも取組んでいて、年収がかなりアップしています。
ただ残念ながらこの流れは40歳以下は上がるのに、それ以上の年齢の人は年収が変わらないなど世代間に格差を設けて昇給させている会社が散見されます。
各社はこれまで年々手当の額を減らしたり最悪無くしたり、定期昇給の額も少しずつ削り人件費を削減してきていました。
結果、今の若手は20年後、30年後に今のその年の人より貰えないと言うのは明白であり、税金も増やされている昨今では手取りを考えるとさらに差が開くのが分かりきっていた未来でした。
なので将来的に40・50歳となったときにこれだけ貰えるのかは微妙な所です。
個人的には減っていると考えた方が無難ですね。
とまぁ残念な現実もお伝えしましたが、結局はどこの会社に入るのかによって年収水準はかなり左右されるので、しっかりと吟味して頂ければ幸いです。
裏話
運転士になる時に必ず「お客様の命を預かって…」という話を聞かされます。
生命と財産を運んでいることを意識して仕事に取組めってことで、会社からはその対価としてお金を頂いている訳なのですが…
じゃあ実際に自分が貰っている年収を自分が運んでいるであろう人で割ったとしたら、運転士から見たお客さんの命の値段は…ってなってます。
まぁよくない計算なのは分かっていますが、会社からのメッセージとしててきとうな仕事をするなってことなんでしょうけど、それなら対価をしっかり貰わないとモチベーションも無いぞって話になってしまいますね。
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