取り忘れた切符の行き先
ピンポーンピンポーン。
改札機が悲しく呼んでいますが誰も取ってくれない切符。
この後どうなるのか知っていますか?
駅員しか知らないことを解説します。
それでは出発進行。
忘れ去られた切符
最近皆さんは切符を使って改札機を通ったことがありますかね?
切符を使って改札機を通る場合、投入口に切符を入れて切符が改札機内で処理されて、今度は取出し口に出てきた切符を受け取るのが流れですよね。
ところが改札機に切符を入れたのに受け取るのを忘れる人が一定数います。
今から電車に乗ろうと券売機で切符を買って改札機を通した後に取り忘れる人はいかがなものかと思いますが、中間改札や降車駅で切符が再び出てくるパターンで忘れてしまうのはしょうがないのかなぁって感じがしますね。
中間改札?降車駅で切符が出てくる?
それってどういうことって思われるかも知れないのでお話しましょう。
一般的に皆さんが電車に乗るとき、乗車駅と降車駅でそれぞれ改札を通られると思います。
ところが場合によっては移動の最中に何回か改札を通らないと行けないときがあります。
この移動の途中で通る改札機を中間改札といいます。
具体的な例を言うと在来線から新幹線に乗り換えるときやその逆ですね。
例えば大阪駅から東京方面に行きたいとき、まずは大阪駅で改札機を通ります。
そして新大阪駅で在来線から新幹線に乗換えるわけですが、ここでもう一度改札機を通らないといけません。
その後、新幹線に乗って東京駅まで移動してそこからさらに在来線に乗継ぎたい場合、東京駅でまた改札機を通らないといけません。
そして目的の駅について再び改札機を通るので、1回の移動で4回改札機を通っていることになります。
この中間改札はなにも新幹線に限った話しではなく、他にあるパターンとしてローカル線と主要路線が交わる駅に中間改札を設置して、相互間で乗り降りする人が不正乗車をしやすい環境を撲滅する目的で設置されていたりします。
普段馴染みのないこの中間改札は時々しか電車を利用しない人にとってはよく分からない改札機になってしまい、その利用方法に戸惑ってしまう人が多くいてその結果切符を取り忘れてしまうトラブルが多発しています。
そして降車駅で改札機に切符を入れた場合、そこまで使用した切符が回収されると思われます。
ところが場合によっては回収されない場合があります。
例えば1日フリー切符を利用していた場合、降車駅で改札機に通した後もその日は使える切符なので切符が戻ってきます。
でも利用していた人がそのことを理解していなかったり、うっかりしていたりして取忘れることがあります。
他にも途中下車扱いになって切符が戻ってきているのに利用者がそのことを知らなかった、連絡切符を買っていて戻ってきているのにそのことを忘れていたりして色んな理由で取忘れられることがあります。
そんなこんなで取り忘れられてしまった切符達、これからどうなるのか知っていますか?
取忘れられた切符の末路
切符が取出し口に出てきて暫くの間は改札機がエラー音を奏でます。
ピンポーンピンポーンと鳴り響くわけですが時既に遅し、取忘れてしまった人はその場を離れてしまっているので切符を取りに戻ってくることはありません。
誰も取らなかった切符は一生そのまま……っということはなく、もし私が駅員として改札に立っているとすればその切符を回収しに行くことでしょう。
でも他のお客さんの対応をしていて取りに行けないってなったとき、その切符は改札機に回収されます。
実は改札機にセンサーがあって、一定時間取出し口から受け取られなかった切符は回収箱に保管されます。
この回収箱は使用済みの切符が集まる回収箱とはまた別で、受取り忘れ専用の回収箱になります。
受取り忘れの切符を改札機が自動的に回収することで改札機が使えなくなることを防いでいます。
では回収箱に集められた切符はどうなるのでしょうか?
回収された切符は?
回収箱に集められた取忘れられた切符達。
お客さんからの問い合わせがあれば返却することになります。
1番良いパターンはさっきあそこの改札機で取り忘れましたとお客さんから言って貰えれば、そこの改札機を確認しに行くだけなのでめっちゃ楽です。
でも沢山改札機が並んでいる所だとどこの改札機を通ったのか分からないと言われることが多々あります。
そんな時は改札機を監視するモニターを使ってどこの改札機に取忘れの切符が回収されているのかを確認することができます。
こうすることで全ての改札機を一々チェックする必要がないのでめちゃくちゃ楽です。
こんな感じでお客さんが取忘れた駅で駅員に申告して貰えばいいですが、別の駅で取り忘れたことに気付く場合があります。
そんな時は、お客さんが気付いた駅の駅員が取り忘れた駅へ電話をして切符が残されていないのか?残されていた場合有効な乗車券なのか?ということを確認する感じになります。
ここまでお客さんが切符を取り忘れたことに気付いた場合の取扱いになりますが、時には全然気付いていない場合もあります。
駅員は1日1回回収箱に集められた取忘れの切符を回収します。
全部の改札機を一々開けるのは面倒くさいので、先述の通り改札機の監視モニターで確認して回収しに行きます。
回収した切符が既に使用期限を終えているなら廃棄、まだ使用期限が残っているなら遺失物としてその後の処理を行います。
とまぁこんな感じで取忘れられた切符は改札機に回収され、その後必要な処置が行われています。
普通に利用する人には知らない機能だったと思います。
皆さんには改札機を通る際は取出し口に切符が出てきていないのか確認していただければ幸いです。
裏話
東京駅の在来線と東海道新幹線の乗り換え改札って皆さん利用したことありますかね?
あそこの改札には改札機の前に駅員が常時立っていて切符の取忘れにめちゃくちゃ監視の目を光らせています。
しかも改札機自体がまあまあのボリュームで切符をお取り下さいとアナウンスするので取り忘れる人はおらんやろうと思って観察していると、それでも取忘れる人っているんですね…
駅員がダッシュで渡しに走っていましたが、お客さんもここで取り忘れられたらもう一回切符を買わされる可能性があることを自覚して欲しいですね…
コメント