残された新聞・雑誌は乗務員の宝物‼【ゆっくり運転士のひとりごと】

ひとりごと

はじめに

皆さんは新聞・雑誌が電車の網棚に放置されているような光景を目撃したことありますかね?
一昔前の古き良き時代の名残ですが、鉄道員もありがたい恩恵にあずかっていました。
なぜ網棚に新聞・雑誌が放置されているのか?また必死に集めていた鉄道員の日常を解説します。
それでは出発進行。

なぜ網棚に?

今の若い人にはイマイチピンとこないかも知れませんが、一昔前の電車の網棚には沢山の新聞・雑誌が置かれていました。
これだけを聞くと鉄道会社のサービスの一環?と疑問に思われるかも知れませんがそうではありません。
今の時代、電車に乗れば皆さんスマホを見たり、音楽を聴いたりして時間を潰していると思います。
でもスマホが無いような時代はそうではありませんでした。
ホームにある売店で新聞・雑誌を購入してそれを電車の中で読むといったルーティンが日常でした。
で降りる駅に着いたとき、自分が持っている新聞・雑誌をわざわざ持ち歩くのはなぁ…ってことで皆さん網棚の上に置いていくようになっていました。
ここで網棚に置かれた新聞・雑誌は皆の共有物だという考え方で、自分が買ってきた新聞を読み終わったから網棚に置いて、元々置いてあった雑誌を次に読もうといった風にお客さん同士で網棚を通して交換しあうといった暗黙のルールがありました。
そして最後はそれを回収する人が現れて、駅前などで安く販売して小銭を稼ぐ人もいました。
売りさばくのはいかがなものかと思いますが、こんな感じで誰かが買ってきた新聞・雑誌は様々な人の手に渡り共有しあう。
今で考えると究極のSDGSでしょうが出版社的にはあんまり良くないことだったのかも知れませんね。
さて皆で読み合った新聞・雑誌達。
回収する人がいたとはいえ、ラッシュが終わり車庫に帰る電車の網棚にはごまんと残されていました。
さぁここからは乗務員の出番です。

網棚には新聞・雑誌がたくさん残されていました

乗務員が回収?

お客さんが車内での暇潰し用に買った新聞・雑誌達は乗務員の暇潰し用になっていました。
乗務区をはじめ駅にある乗務員休憩所では、ラッシュが終わり車庫に帰る電車の網棚から回収した新聞・雑誌が積まれておかれていました。
1本の電車から回収するだけでも、朝日・読売・毎日・産経・日経の五大紙だけでなく、地方紙、場合によってはマニアックな産業新聞を集めることが出来ました。
さらにジャンプ・マガジンのような漫画雑誌、新潮・文春のような週間紙など選り取り見取りでした。
両手にいっぱいもう持てないってぐらいまで回収できるので、その量に驚かれるかも知れませんね。
こうして集められた新聞・雑誌は乗務員の休憩時間のお供になるだけでなく、駅員に横流し?する人もいたので、駅員の休憩時間のお供にもなっていました。
さらに乗務員が回収するとはいえ全てを回収できるわけではないので、回収されずに車庫まで残された新聞・雑誌は今度は車庫で点検を担当する検車さんや車内清掃を行う清掃屋さんに回収され、余すことなく?再利用されていました。
そして特に新聞は読み終わったあともすぐには捨てられず保管され、ちょっとしたものを包むときや掃除するときに使用され本当に無駄なく利用されていました。
こんな感じで一昔前は余るほど新聞・雑誌が網棚に残されていたわけですが、昨今は本当に見なくなりました。
朝ラッシュ終わりの電車の網棚を見ると綺麗なもんです。
それでも昔ながらの人は数少ない新聞・雑誌を探して日々彷徨っています。
人によっては掃除屋さんに頼んで取り置きしといて貰っている人もいますね。
まぁ今の時代乗務員の休憩所ではみんなスマホで時間を潰すのでこんなことをしている人は殆どいませんがそれでも0ではありませんね。
今では網棚に残された新聞・雑誌を見ることはありませんが、一昔前まで残されていた古き良き?日本の伝統と乗務員の裏話でした。

乗務員だけなく車庫で働く人も回収してました

裏話

さて皆さん、乗務員が必死になって集める新聞・雑誌で1番の人気商品ってなんだと思います?
正解は、、、、、、漫画雑誌です。
ジャンプ、マガジン、チャンピオンetc数多くの漫画雑誌がありますが、特にジャンプの人気が高いですね。
と言うのも、新聞・雑誌が手に入らなくなりつつある昨今でも比較的容易に手に入れることが出来るのが大きいと思いますね。
誰かが探してきて回し読みする謎ルーティンが出来上がってます。
ジャンプは毎週毎週新刊が手に入っているみたいですけど、他の漫画は時々しか手に入らないことを考えると、わざわざ買って電車で読む人もほとんどいないんでしょうね…
出版社も大変だ…

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