駅員が忘れ物を取扱いたくない訳 嫌な忘れ物はどんなもの?

ひとりごと

はじめに

駅に届いた忘れ物達。
ターミナル駅になるととんでもない量の忘れ物が届きます。
この忘れ物達がそのあとどうなっているのかご存じですか?
駅員しか知らないこと。
解説します。
それでは出発進行。

駅にはいろんな忘れ物が届きます…

まずはお礼


ホームや電車の中に残された忘れ物は、親切なお客さんが届けてくれたり、駅員や乗務員が自ら拾って駅に集まってきます。
駅員の手元に忘れ物が届いたときは、まずは拾ってくれた人にお礼を伝えましょう
特にお客さんから忘れ物がありましたと申告があったときにお礼がないと、あとでご意見に繋がるので要注意です。
この時、お客さんに忘れ物の持ち主が現れなかったときにその忘れ物の所有権が必要か?また持ち主が現れたとき報労金が必要かの確認をしましょう。
大体の人はいりませんと言いますが、たまーに所有権が必要と言われる方がいます。
その場合、書類作成に時間がかかるのでその旨を伝える必要があります。
ちなみに駅員や乗務員は所有権や報労金の請求は出来ません。

登録


届いた忘れ物はシステムに登録します。
傘、スマホ、財布、鞄etcどんなもので、どんな形状、色、中身はなにか?
そしてどこで拾われたのかなど、忘れ物の情報を細かくシステムに登録します。
お客さんから忘れ物をしましたと駅やお忘れ物センターに問い合わせがあったとき、この登録したシステムから検索をかけることで、別の場所にある忘れ物を一括で捜索できるようになっています。
なのでめっちゃめんどくさいんですけど、細かくシステムに登録することが大事なんですよね。
ここでお客さんに1つお願いがあります。
それは財布など現金が入っているものは一緒に中身を確認して欲しいです。
というのもたまーに悪い駅員がいて中身を抜いちゃう奴がいてるんですよね…
あとは元々お金が抜かれていて、落とした人から指摘があっても拾った人とちゃんと確認したって言えるようになるんですよね。
不正防止の観点から一緒に確実にいくら入っているのかチェックして貰いたいんですよね。
だだお客さんにも用事があってそんな時間を取れないよって言われるかも知れないんでその時は大丈夫です。
複数の駅員で見たり、監視カメラの前でお金を数えて証拠を残しておくので。

駅ではシステムに登録してます


保管→移送


駅に集まった忘れ物はその駅で1日から2日程保管されます。
で、その後は忘れ物センターや忘れ物を管理する駅に移送されます。
移送するときにはただ送れば良いわけではなく、ちゃんと忘れ物が揃っているのか確認する必要があります。
そして忘れ物を受け取る忘れ物センターでも移送されてきた忘れ物が揃っているのか確認する必要があります。
簡単に確認って言ってますけどその数は膨大ですからね。
忘れ物センターに集まる忘れ物は会社の規模によって異なりますけど、1日何百個ってあります。
それを1個1個、リストと物の確認とかマジでめんどくさい作業です…
そして忘れ物を取りに来た時のことを考えて、いい感じに綺麗に保管しておかないといけないですし…

各駅の忘れ物は忘れ物センターに集まります


そして警察へ


忘れ物センターや管理する駅に集約した忘れ物は、数日から1週間程度保管されます。
保管期間が過ぎれば忘れ物を警察に持って行きます。
これもただ単に持って行けば良いわけではなく、システムに登録した忘れ物がちゃんとあるのかを確認して、忘れ物と忘れ物の一覧リストを警察に提出します。
そして警察は警察で持ってこられた忘れ物とリストが正しいのかチェックします。
忘れ物は数が多いので警察署が遠いと持って行くのも一苦労ですし、警察での待ち時間も長いのでなんも良いことはないですね…
これでも最近は傘の忘れ物は警察に持って行かなくても良くなったので数が減って楽にはなってるんですけどね…

また帰ってくる…


忘れ物を警察に持って行って、それで終わりではありません。
警察での保管期間は3か月。
保管期間が過ぎた物は再び鉄道会社に返ってきます。
なので忘れ物を警察に持って行ったときは同時に、3か月前に警察に持って行った忘れ物を持ち帰ります。
持ち帰るときもちゃんと、警察から全部返ってきているのか1つずつ確認しないといけません。
ちなみにお客さんから預かった忘れ物で、所有権を主張された物はこの時点でその人に引き取って貰いますが、それ以外の物で個人が特定できるもの以外は全て鉄道会社に帰属します。
正直、忘れ物が帰ってきたとしても鉄道会社的にはゴミになるだけなんですけどね…
まぁ一部の物は鉄道祭りなどのイベントの忘れ物市で売却したりもしてますけど、圧倒的にいらないゴミの処分費用にお金がかかってます…

忘れ物はまた返ってきます

困る忘れ物は?


日夜色々な忘れ物が届きますが、その中には対応に困る忘れ物もあります。
個人的に嫌な忘れ物、それは生ものです。
お惣菜とかケーキとか消費期限がある物を警察に持って行って、何ヶ月も保管しちゃうとそれはそれは大変なことになります。
冷凍とか、冷蔵で保存しないといけない奴はもっとですね。
なので消費期限が1日の物は駅の時点で期限がきたら廃棄しますし、数日の物は忘れ物センターで廃棄します。
微妙なのが数週間ぐらいある物で、警察の中で期限を迎えてもそのままにされるので引き取りに行ったときに熟成されてるわけですよ…
まぁすぐ廃棄するんですけどなんか嫌なんですよね…
あと期限がきて捨てた後に、もし持ち主が現れたときに説明するのが嫌っていうのもありますね…
色んな物が忘れ物として駅に届けられるわけですが、どんな物でも駅員が確認して、忘れ物センターに集約、その後警察に移管、そして警察から返ってくる。
かなりの労力がかかっていることを知って貰えたと思います。
電車を降りるときは勿論、ホームのベンチで休んだ後などは忘れ物が無いのか今一度確認して頂ければ幸いです。

裏話


嫌な忘れ物といえばお弁当箱も嫌なんですよね…
中身があったら勿論ですけど、食べ終わったお弁当箱を警察に持って行って返ってくるとそれはそれは大変なことになっています。
なので、駅で1日保管した後、申し訳ないですけど中身を捨てて、お弁当箱を綺麗に洗ってから忘れ物センターに送るようにしてます。
まぁ結構な手間ですねww

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