「れきだん」この恐ろしい言葉の意味知っていますか?【ゆっくり運転士のひとりごと】

ひとりごと

はじめに

轢断
皆さんはこの言葉を聞いたことがあるでしょうか?
耳馴染みの無いこの言葉。
実は鉄道会社ではポピュラーな表現です。
想像を絶する現場で放たれるこの言葉は色んな未来を考えさせられます。
轢断と言う言葉と鉄道員しか知らない現場のリアルを解説します。
それでは出発進行。

轢断とは

轢断。皆さんは日常生活でこの言葉を使ったことがないと思います。
というか使わない方が良い言葉かもしれません。
私も鉄道会社に入るまでこんな言葉の存在すら知りませんでした。
轢断と言う言葉の意味を辞書で調べるとこうなります。


轢断。
電車などにひかれて切断されること。

https://sakura-paris.org/dict/%E5%BA%83%E8%BE%9E%E8%8B%91

言葉の意味が鉄道しか使わないような表現になっていますね。
轢断と言う言葉は辞書の通り、電車に轢かれることにより足や腕が切断された状態のことを指します。
この言葉が使われる事象。
察しの良い方は既にお気付きでしょうが、人身事故の現場で使われる言葉です。
人身事故が発生した場合、運転士は電車と接触した人の状態を指令から問われます。
大体の場合はお亡くなりになっているので、即死してますとか応答が無いとかショッキングな無線が飛び交う訳ですが、時として足を轢断していますとか言った無線が飛ぶことがあります。
電車に轢かれて足や腕が切断されてしまった…
想像はしたくは無いですがそういった現場もあります。
しかも相手も黙っているわけではなく、大怪我をしているわけで人間の本能的に痛いと叫んでいるわけです。
救急車が来るまでの間の時間。地獄の時間ですね…。
そして轢断という言葉はその後にもつきまといます。
警察での事情聴取、会社での事情聴取、その後に作られる各種報告書には相手者の状態も当然記載されています。
左足轢断とかですね。
あー恐ろしい…
言葉で表すと轢断って書くだけですけど、その人の今後の人生を大きく左右してしまうことを忘れてはいけません。
思わず将来について考えてしまう事象がありました。

事故事例

とある踏切で人身事故が発生しました。
自転車に乗ったお婆さんが踏切内に取り残されて電車が通過。
実際に電車と接触したのは自転車だったみたいですが、お婆さんは自転車に跨がっていたので自転車もろとも吹っ飛ばされました。
すぐに病院へ運ばれ幸いにも命は助かりましたが、両足は轢断してしまいました。
現場付近には買い物袋からこぼれた食材が散乱していたみたいなので、お婆さんは買い物帰りだったのでしょう。
ちょっと近所のスーパーに行っただけなのに家に帰ってきたら両足がない…
お婆さんはこれからどうやって暮らしていけばいいのか…
考えるだけでも恐ろしいです…
両足が無くなれば一生車椅子がなくては生活できないでしょうし、普通に考えてもう家で生活するのは無理でしょうね…
踏切自体は2本の線路を跨ぐよくある感じの踏切で、開かずの踏切というわけではありません。
お婆さんも自転車に乗って移動しているので、体が不自由で踏切が渡りきれなかったとも考えにくいです。
どちらかと言えば踏切が鳴っているにも関わらず侵入する人が絶えないような踏切だったので、無理な横断をしてしまったのかもしれません。
まだ大丈夫だろう、いつも行けるからええやろう。
そんな安易な考え方で踏切を無理に横断すると、取り返しの付かない事態が待ち受けているかもしれません。
轢断と言う言葉。
今後使われるような事象がないことを祈っています。

裏話

私がこの言葉を初めて知ったのは助役さんが報告書を作っていたのを見た時ですね。
轢断って言葉なんやろう?って思って調べてたら言葉の意味が出てきてあっ察し…ってなっちゃいました。
このことを思い出したのはyoutubeで電車に轢かれて手足を切断してしまった方の動画を見てそういえばこんなことあったなぁってなりました。
電車に轢かれるとマジで危ないので気を付けて貰えれば幸いです。

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