まるで自動車学校?
運転士になるためにまず最初に始める勉強は、教習所での座学教習です。
教習所は簡単に言うと電車の学校で、国から認可を受けた施設になり、正確には動力車操縦者養成所と呼ばれます。
この教習所で必要な座学教習を受けることで、動力車操縦者運転免許の試験を一部免除することが出来ます。
で、教習所ごとに勉強できる範囲は決まっています。
皆さんが一般的に電車と呼ぶ、電気の力で動く列車を運転するための電気車運転免許
列車にエンジンを積んで、その力で動く列車を運転するための内燃車運転免許
新幹線を運転するための新幹線電気車運転免許
蒸気機関車を運転するための蒸気機関車運転免許
1つの免許しか勉強できない教習所もあれば、複数の免許を取るために勉強できる教習所もあります。
そしてそこの教習所ではどんな勉強ができるのかは全て公表されており、教習所の所在地と共に確認することが出来ます。
それがこちら。
出典:動力車操縦者養成所に関する告示 (mlit.go.jp)
これは国土交通省が公示する、動力車操縦者養成所に関する告示と言うもので、ここに全ての教習所が掲出されています。
でこのリストを見て貰うと分かりますが、ある程度の規模の鉄道会社なら自社の教習所を持っていることが分かります。
関西なら、JR、大阪メトロ、近鉄、京阪、阪神、阪急、南海。
大手鉄道会社ばっかりですね。
でも、関西にある鉄道会社はこれだけではありません。
能勢電鉄、神戸電鉄、水間鉄道などなど中小鉄道会社もたくさんあります。
中小鉄道会社は施設のコスト、先生のコストなどなど様々な理由で自社の教習所を所有していません。
なので自社で教習所を持っていない鉄道会社で運転士を養成したい場合、親会社やグループ会社、近くの鉄道会社の教習所にお願いして、そこの鉄道会社の人と一緒に教習して貰えるようになっていたりもします。
運転士になるための教習所に行ったら、他の会社の人と一緒に勉強しているというちょっと不思議な光景になることもあります。
で、こうなると絶対に優劣を付けられちゃんうんですよね。
勉強は、動力車操縦免許の筆記試験を合格するために行っているわけですが、勉強の合間合間に理解できているのか、小テストをかなりの頻度で行います。
でその小テストの結果は、逐一公表されるので誰が何点取っているのか直ぐに分かります。
そうするとあの会社の奴に負けていると直ぐに比べられるんですよね。
こういった場合、他の会社から勉強しに来ている人の方が、勉強に対する覚悟とかモチベーションが高かったり、会社からの期待もありますし、精鋭を送り込んでくるので高得点を取られちゃったりするんですよね…
で、自分の会社のレベルが低いと先生にめちゃくちゃ怒られます。
まぁしゃーないんですけどねww
教習所はどんな感じ?
皆さんが今まで勉強した、小学校とか大学みたいな感じですね。
ちょっと設備が古いところは黒板に1人用の机。
まるで小学校に戻ったような雰囲気の場所で勉強します。
設備が新しくなれば、ホワイトボードに長机。
大学みたいな綺麗な設備で勉強します。
綺麗さに程度はあれど、学生時代にタイムスリップした感覚になります。
鉄道会社に入社して駅員→車掌→運転士とトントン拍子で来た人は学生時代は2,3年前の話ですが、ある程度年齢を重ねてから運転士になった人は、それこそ10年以上前の話やっていうのもザラなのでかなり懐かしく感じるみたいですね。
で、勉強時間は驚愕の1日8時間
1日を過ごせば、かなりの体力を削られます。
高校生なら7時間、大学生ならコマ調整をするので、ここまで一日に長時間勉強することはないですよね。
朝9時から勉強を始めて、15時を回ってくるとマジでしんどいんですよね…
でもそこからまだ3時間勉強しないといけないと思うと憂鬱です。
で、勉強の範囲も法律的な話もありますが、どちらかというと電車の仕組みや構造の話が多いので工学系の勉強をします。
元々理系の学校を卒業していれば飲み込みも早いですが、文系だとマジでちんぷんかんぷんです。
で、なかなか授業中には理解できないので、居残って勉強している人もいます。
そうなったら1日何時間勉強してんねんってなりますねww
これが3ヶ月続くと思うと憂鬱ですね。
裏話
勉強をするのも大変なんですけど、地味に一番大変なのが体を慣らすことなんですよね。
と言うのも、鉄道会社の現場のお仕事は基本的に朝~昼に出勤して次の日の同じ時間に帰る、この繰り返しで働いてます。
なので朝は普通のサラリーマンよりゆっくり起きれるんですけど、教習所に来ると朝~夕の仕事時間になるので、朝早く起きてっていう習慣が無いんですよね…
だから6時とかに起きるのが一番しんどい…
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