鉄道会社では有給休暇が取れない!? その複雑な制度を解説!!【ゆっくり運転士の鉄道ニュース】

鉄道ニュース

はじめに

断言しときます。
鉄道会社に入社したら年休が好きに取れることはありません。
労働条件の闇を暴露します。
それでは出発進行。

ニュースを引用

JR東海の東海道新幹線の現役運転士ら6人が「年次有給休暇を希望通り取れなかった」として、同社に損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、東京地裁であった。
判決は同社の年休の運用について「労働契約上の義務を怠った」と認め、6人に1人あたり3万~20万円、計54万円を支払うよう同社に命じた。同社は即日、控訴した。
判決によると、JR東海の新幹線乗務員は就業規則などに基づき、毎月20日までに翌月の年休希望を申請する。
しかし実際は、取得できるかは勤務日の5日前まで確定せず、取れない場合もあった。
判決は、社員が申し出てから相当期間後に希望を変更させる運用は「合理的な期間を超え、労働者の利益への配慮に反する」と認定した。
また、訴訟の対象となった2015~16年度は「会社は恒常的な要員不足に陥っていた」と指摘。
6人の年休取得で事業に支障が生じるとしても「会社が年休取得日を変更する権利を行使することは許されない」とも判断した。

朝日新聞デジタル

年休制度

会社によって変わるとは思うんですけど、良く聞く年休を取るための制度はこんな感じです。
①枠が決まっているパターン
②枠が決まっていないパターン 

①の枠が決まっているパターンはその日1日に年休を使える最大数が固定されています。
例えば、乗務区で1日8人までとか、駅で1日2人までって感じですね。
②の枠が決まっていないパターンはその日に何人年休を使えるのか上限の確約はなく、その日の勤務が確定したときに何人年休が取れるのかが確定します。
いずれのパターンでも年休の申込みは先着順で、これが年休を好きに取りにくくなる原因になっています。
年休を取りたいと思ったらまずは申込みをする必要があります。
例えば毎月20日10時に翌月の21日~翌々月20日分の申込み受付が始まるってなっています。
なので6月4日に年休を取りたいなぁと思ったら4月20日に申込みに行かないと行けません。
基本は駅とか乗務区に赴く必要があります。
時には電話受付してくれるところもあるんですけどね…。
なぜ駅や乗務区に行かないと行けないのかは後で分かります。
ではここからが問題なのですが、あなたがその日に絶対年休を確保したいとしたらどうしますか?

確実に年休を確保するために…

①のパターンでも②のパターンでも重要なのは順番です。
例えば①のパターンで1日8人年休が取れるとして、あなたが年休の申込みに行って先に8人その日に年休が取りたい人がいれば、9人目となるあなたは年休を取ることが出来ません。
②のパターンでもその日に10番目に年休が取れる権利を持っているよりも、3番目に年休が取れる権利を持っている方が年休を取れそうですよね。
いずれのパターンでも先着順で年休が取れるのか否かが決まるので、事前の順番待ちが発生することになります。
では10時から受付け開始になるとして、あなたが絶対に年休を取りたいとしたら何時に乗務区に行きますか
普通に考えたら5分前とかですかね。
でも他の人が10分前に来ていたら?
じゃあ自分は20分前にとなりません?
そうすると他の人が30分前に来ていて…
という具合に先着順で決まってしまうので、ドンドン皆が受付時間よりもかなり早く来ることになります。
それがエスカレートすれば、始発でくる奴前日から泊まり込む奴など、まるでコミケの待機列と誤解するぐらい意味わからない時間から年休受付に並ぶことになります。
なので並んで順番が出来ているので、電話受付けすると順番が分からなくなるのでできなくなってます。
ちなみに究極は、年休受付の日に仕事だと申し込みに行けないので、年休受付けの日に休むための年休を取るみたいな意味の分からない現象も発生しています。
先着順じゃなくて抽選にすればいいやんみたいに思うかもしれません。
確かに会社によっては抽選の場合もありますけど抽選にすると旅行みたいにかなり前から予定を入れている場合に、年休が取れるか取れないか分からない抽選より並ぶ方式の方が確実であるといった考え方もあります。
さて①の場合だとこの時点で自分が年休が取れるか否かが分かりますが、②の場合だとそうはいきません。
今回訴訟されたJR東海と同じようなパターンなのですが、この時点で分かるのは自分は何番目に年休を取る権利を持っているのかということのみ。
実際に年休になるかどうかは勤務表が確定してからになります。
乗務区だと余計ですが、その日何本の電車が運転されるのかはギリギリにならないと分かりません。
さらに会社の行事で誰かが抜けるのでその穴を埋めるなど、その日に誰がどんな行路に乗るのかは大体1~2週間ぐらい前に決定されます。
そこでようやく5人が年休を取っても大丈夫やなと判断され、年休が取れるか否かが決まります。
擁護派的には、大体の傾向はあるからいつも5人ぐらい取れそうやなぁみたいな当たりは付けれるやんって言いますね。
当てはめると自分が1番ならほぼ確実ですし、5番とかやったらびみょい、10番やったら無理やなみたいな感じで予想するしかありません。
間際まで分からないこれは地味にストレスですよww
だって旅行とか予定してたらパーになるかもしれないんですよww
以上が、一般的な年休の取り方です。
これで年休が取れなかったとしましょう。
それでも年休が取りたい、あとは最終奥義が残されています。

順番はマジで大事です ①の場合で8人までなら9人目は年休が取れない

最終奥義は?

それは自分で自分の代わりを探すです。
自分が休みたい日に休みの人を探してその人に休日出勤をお願いする。
一見良さそうなこの制度。
ところが大きな不平等を生むことになります。
例えばあなたが誰かに休日出勤をお願いするとき誰にお願いしますか?
お願いしやすい自分の同期や後輩にお願いしません?
さらにお願いされる立場としてベテランの先輩から言われたらきっぱりと断れます?
この制度はどうしても若手は若手に頼んで、ベテランは断られにくい若手に強要頼むことになることが多く、特定の人が休日出勤をさせられることになります。
なので不平等が生まれやすいです。
ちなみに擁護派の意見として、仮に並んで年休を取れなかったら代わりを探せばOKやから働きやすいみたいな風潮がありますけど、これ皆さんおかしな点に気付きます?

問題点

ネットで調べて貰ったら分かると思うんですけど、休みたかったら代わりを探せは限りなく黒に近いグレーですよ。
バイトの学生とかもよく言われる言葉だと思うんですけど、本来人の手配をするのは雇用者側の責任のはずなんですよね。
それを使用者側に強要するなんておかしい話しなんです。
でも勤務協力と言うなの元に誰も疑問に思っていないんですよね。
そもそも年休申込みが出来ないから自分で変わりを探すって言うのも、会社が十分な人手を用意していないからこんなことをしないと行けないわけです。
会社も大変やみたいな声もあるんですけど、使用者側がなんでそんなに配慮しないといけないのか意味が分かりません。
雇用者は使用者を休日出勤させたり、転勤させたり色々やるのに、なんで使用者は十分な年休を取れないのか?
雇用されている以上そういうもんやと言う声もあると思いますけど、誰も声を挙げなければどんどん改悪されていきますよ。
おかしいものはおかしいですし、これ以上使用者側が雇用者に配慮する必要はないであろうと断言します。
ただ実際の空気感的に年休を取るには気を使わないといけない空気感があります。
この裁判の結果で年休が取りやすい環境が整ってくれることを切に願います。

裏話

自分で代わりを探すとなると絶対に発生するのは、搾取する側と搾取される側の存在。
他人に頼むのがちょっと…って人は絶対に向いてない制度です。
搾取する側は頼んだらええやんって言いますけど、それが出来ない人は出来ないんですよと声を大にして言いたいですね。
だって旅行に行ってたら土産がないとか気を遣えてないとかしょーもないことで避難されないといけないんですよ…
そんなことをされたらお願いするのもめんどくさくなりますね…
あと他人に休日出勤をお願いするのに、他人の休日出勤を受けない糞みたいなベテランもいます。
で断ったら断ったで、あいつは休日出勤受けてもくれへんお前も受けるなよみたいなしょーもない話を風潮する始末。
マジで〇〇〇でくれませんかね(怒

コメント

タイトルとURLをコピーしました