電車のドアを閉めるとき、車掌は自分の目で安全を確かめてドアを閉めます。
ところが駅の構造上目視確認できないことは多々あります。
そんなときは外に出たり、ITVモニターを見たり、様々な手段で確認します。
ところが安全を確認するのを駅員に丸投げするちょっと変わった駅がありました。
車掌と駅員の連携プレー。
解説します。
それでは出発進行。
今回訪れた駅は阪急の石橋阪大前駅。
宝塚線と箕面線が分岐する駅であり、近くには大阪大学もあって学生を中心として多くの利用客がいます。
私も資格試験を取るためによくお世話になった駅ですね。
阪急では12月にダイヤ改正があり、この宝塚線で運転されている10両編成を8両編成に減車して運転される旨がアナウンスされているので、今回は惜別の為の撮影に来ています。
さて通勤特急大阪梅田行きが10両編成で到着です。
通勤特急は朝ラッシュ専用の種別で梅田行きのみの運転です。
所定位置に電車が止まったことを確認して車掌はドアを開けます。
そして通常ならお客さんの乗り降りを見守りますが、なんということでしょう車掌の位置からは1両分しか前を確認することが出来ません。
駅自体が大きくカーブしており、梅田方面行きはホームが外カーブしています。
カーブしていたりして、前まで見にくい駅では車掌が安全確認をするために自ら外に出たり、ITVモニターで前方の安全を確認します。
ところがこの石橋阪大前駅は、カーブしている以外にもホーム幅が狭く、車掌が外に出たとしても前方までの安全は確認できませんし、ITVモニターも設置されていません。
なので一番お客さんが多い、改札口や箕面線からの乗換え通路は編成の前よりにあるので、お客さんの様子は全く見えません。
ではどのようにしてお客さんの乗り降りが完了したことを確認してドアを閉めているのでしょうか?
心の目で見ている?
朝ラッシュの時間帯にそんなことをしたらお客さんを挟みまくって大惨事です。
お客さんが怪我をしたとなると車掌の責任になるのでそんなことは出来ません。
ドアが閉まる旨の放送が終わった車掌は前の1点を見つめてドアを閉。
車掌は電車に乗ったまま一両分の車側の安全を確認しつつ、再び前の1点を見つめます。
そして運転士に対してベル合図を行い電車を発車させます。
ここまでの一連の動作で何が起こっているのか、別視点も確認しつつ深堀りしましょう。
さて次の通勤特急が到着します。
車掌は所定位置に電車が停止したことを確認してドアを開けます。
発車時刻の確認をしつつ、ここでまず車掌が確認しないといけないこと、それはレピーターが点灯することです。
レピーターは車掌の位置から出発信号機など前方にある信号機が確認できないとき、このレピーターが点灯したことを確認することで、前の信号機に進行信号などが現示されたことを知ることが出来ます。
前方の信号機が赤なのでこの状態ではレピーターが点灯しません。
さぁ出発信号機が青に変わりました。
なのでレピーターが点灯。
これでいつでも電車を発車させることができます。
ドアが閉まる旨の放送を終えた車掌は何かを待っています。
この頃、前で何が起こっているかと言うと…
駅の偉い人を筆頭に多くの駅員がお客さんの乗降りを確認しています。
さぁいよいよドアを閉めますが、車掌に対してドアを閉めていいよと合図をするために、前の駅員から順番に手を挙げていきます。
駅員が全て手を挙げれば、車掌に対してトの合図が点灯します
トの合図を確認した車掌はすぐさまドアを閉。
駅員はドアが閉まれば、ドアに荷物挟まり等がないことを確認して再び手を挙げます。
駅員が全て手を挙げれば、車掌に対して〇の合図が点灯します
合図を確認した車掌は、運転士に対してベル合図をして電車を発車させます。
ちなみに運転士はドアが閉まる際、後方の確認をして何かあれば車掌に対してすぐベル合図を行える体勢を整えています。
車掌が電車のドアを閉めるとき自分の目で安全を確認し、駅員がいても補助的な役割の場合が多いです。
ところが駅の構造上それができない駅では、全てを駅員に丸投げするちょっと変わった取扱いを行っていました。
今回はそんな石橋阪大前駅のご紹介でした。
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