夜中のダイヤ乱れで鉄道員が絶望するわけ 【ゆっくり運転士の鉄道ニュース】

鉄道ニュース

電車の運転見合わせ・遅延
夜中の時間帯に発生すると乗務員のみならず全鉄道員が絶望します。
命を削って電車を動かす現実を暴露します。
最後までご覧頂ければ、夜中のダイヤ乱れ時に現場はどうなっているのか乗務員しか知らない事情を知って貰えると思います。
この動画ではなぜ鉄道員が絶望するのか?ニュースを引用しつつ、仮眠が0の現実 ・助けられなかったのか?・実体験の話の3点に絞って解説します。
それでは出発進行。

神戸新聞より引用です。


27日午前7時過ぎ、JR神戸線鷹取駅で、西明石発京都行き普通電車(7両編成)が、停止位置を約250メートル行き過ぎて停車した。
JR西日本によると、運転士は「一時的に意識が向かずブレーキのタイミングが遅れた」と話しており、ホームに入る速度が速すぎると感じた車掌が非常ブレーキをかけた。
運転士は前日からの泊まり勤務で、台風に伴うダイヤの乱れで休憩時間が短くなっていたという。

https://www.kobe-np.co.jp/news/jiken/202606/0020525720.shtml

引用終了。

このトラブルがあった前日。
関西地方では台風が近づきつつあり、その影響で大雨が降り続いていました。
その影響でJR西日本管内では全線で大幅なダイヤ乱れが発生しており、本来の終電の時間を過ぎても多くの電車が運転されていました。
そして日付が変わった翌日にこのトラブルが発生してしまいました。
私からしたらこのトラブルには同情を禁じ得ません。
皆さんのなかにはなぜ前日のできごとが今回の件にかかわるのか分からない人がいるかもしれません。
乗務員の勤務は泊まり勤務です。
昼頃から仕事が始まり、夜間帯に順次勤務が終了。
そして5時間程度の仮眠時間があり、また早朝から順次勤務が始まります。
で、もし夜間帯に運転見合わせやダイヤ乱れがあった時、本来想定されている勤務終了時刻を大幅に超過することが頻発します。
でも残念ながら翌朝の勤務開始時刻は変わらない訳で、つまるところ仮眠時間が3時間になったり、下手すら0時間で翌朝を迎えることになります。
ちなみにこれは当然乗務員だけの話ではなくて、乗務員が帰ってこなければ管理職は寝れないですし、夜中も電車が走っているということは駅員はもちろん、電車の管理をする車両部門、突発的なトラブルに対応するため施設や電気など全ての現場部門の人間が、最後の電車を車庫に入れるまで対応を迫られることになります。
結果、その日働く全ての人間があらかじめ予定された仮眠時間を大幅に削られた状態で翌朝から働いています。
十分な仮眠時間を得られなかった結果、今回のようなミスにつながってしまった訳で、状況の過酷さを知っている私からしたら同情を禁じえません。

遅延=睡眠減です

この報道のなかで予備の人員を当てればよかったのではという声がありました。
ただ残念ながら今回のケースではそれは不可能です。
まず予備の人員とは、その日1日担当する電車が決まっていない人のことを指します。
予備の人はなにもなければ1日中乗務区の中で待機し、仕事に来れない人が発生した・急に体調不良になった人が出た・突発的な臨時列車を走らせるみたいなときに、ピンチヒッターとして電車を担当する人のことを指します。
当然予備の人材にも限りがあるわけで、数人の乗務員の睡眠時間が削られたみたいなときには交代させることができますが、ここまでの大規模なダイヤ乱れだと全員の睡眠時間が足りていない訳で、とてもじゃないですが予備の人の数が足りません。
というかそもそも予備の人も前日の晩のダイヤ乱れで乗務員の乗り継ぎができない箇所のフォローで、電車を担当していると思われるので予備の人材も既に使い切っていることが予想されます。
睡眠時間を確保するためにできる手立てとしたら、翌朝の始発電車を繰り下げて「今日は7時以降からしか電車を動かしません~」ってすることぐらいしか思いつきませんが、まぁこれは世間が許してくれないでしょうね。
構造上、終電がどれだけ遅れたとしても始発電車は時間通りに走らせるのが当たり前ってなってしまっている以上、全鉄道員の仮眠時間を削って対応するのが現実です。
翌朝はみんな「2時間しか寝てない」「私は寝てない」みたいな話で盛り上がる訳で、管理職からは「眠いと思うが気を引き締めて乗務するように」って言われるだけです。
なのでどうしても意識がなかったというミスが起こるのが常で、今回はたまたま公になってしまったということになります。

予備人員にも限界があるので全員を交代させることは不可能です

実際私も終電時間帯でのダイヤ乱れに巻き込まれたことがあります。
その時は2時間以上遅れて終着駅に到着しました。
電車を車庫に入れて、勤務を終了して、風呂に入っていざ床に就こうとすると時刻はすでに4時前。
始発組が起きてくるような時間帯です。
でそこから仮眠して朝身支度をする時間を考慮すると、実際に寝た時間は2時間にも満たしていません。
もうこれで乗務すれば眠たい目をこすってとかのレベルの話ではなく、ギリギリ意識を保っているのかというような具合になります。
というかところどころ意識がないですね。
この時は途中から予備の人に変わって貰って間で追加で仮眠をとりましたが、明けの行路をすべて担当しろと言われれば、なかなかにきついものがありますね。
このしんどさを知っている以上、今回のような件で運転士に対しては可哀そうっていう感情を抱くことになります。
夕ラッシュ以降、20時21時という時間帯からは乗務員は仮眠をとるため順次勤務を終了し、翌朝に備えます。
なのでこの時間帯以降に運転見合わせやダイヤ乱れが発生するとこの予定がすべてパァになり、いつになったら仮眠できるのか?が分からなくなり絶望します。
結果、睡眠時間が著しく削られ翌朝からの勤務に大きく支障してきます。
とはいえこれを防止する手立てはなにもないわけで、現場職の悲しい現実です。
夜間にダイヤ乱れがあったときは乗務員の絶望を察して頂ければ幸いです。

私の時は交代が来てくれて助かりました

私も実際の現場がこんな悲惨なことになっているなんて、鉄道会社に入って初めて知ることになりました。
まぁ毎日のことではなく突発的なことだからセーフって会社は考えているんでしょうけど、こっちからしたらなんとかしてくれ案件ですね。
なので夜中に発生する人身事故ホンマに殺意わきますよ…

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