はじめに
企業イメージアップの為に取材を受けた鉄道会社。
その取材内容がYouTubeにアップロードされると都合の良いことしか配信しておらず、都合の悪い話をコメント欄にかかれた結果、大炎上。
なぜこんなことが起こったのか解説します。
それでは出発進行。
炎上の内容
さてとある関東の大手鉄道会社。
最近は念願の他社との直通運転が始まりブイブイ言わしている会社です。
この会社の車掌の1日といった動画が配信されました。
動画の内容は育児中の女性が9時から17時まで勤務し、育児と仕事が両立出来ますよといった内容になります。
動画自体は何ら炎上するようなものではありません。
ではなぜ炎上したのか?
それはこの動画に寄せられたコメントによるものです。
最初に断りますが、このコメントの真偽については不明です。
しかしながらあまりにも説得力があり内部の人が書いている可能性が高いような気がします。
ただ残念ながら現在はコメント欄が閉鎖され直接見ることが出来ないので、この一件を取り上げたニュースサイトを引用します。
コメントには中の人ではないと分からないものがあるので1つずつ紐解きましょう。
コメントの内容
ビジネスジャーナルの記事を確認すると、介護や育児など事情がある人用の特日行路である、慢性的欠員、残業100時間、会社に3泊4日が当たり前の会社といった旨の書き込みがあったそうです。
鉄道会社では基本的に他の会社と同じように1日8時間勤務です。
8時間勤務の1時間休憩で9時間拘束が基本な訳ですが、育児や介護の事情により8時間勤務できない人用に、短い時間のみの勤務形態を設けてある場合があります。
さらに深夜早朝帯の勤務も免除となり、普通の会社と同じである9時~18時の間で働く事になります。
会社によってこの仕事の名称は異なり、言い方が悪いですが忖度された行路のことをこの会社では特日行路と呼んでいるのでしょう。
で、この動画ではそんな勤務で働きやすいとアピールしているみたいですが、こんな勤務形態ができるのはごく一部の人であることは忘れてはいけませんね。
言い方が悪いですが、鉄道会社で乗務員の人手がいるのは朝夕のラッシュ時間帯。
昼間しか働かない人が多くなれば、電車が走れなくなってしまいます。
そして一番驚愕したのは3泊4日の勤務。
3泊4日と聞けばどっか好いところに旅行?って思われるかも知れません。
でも残念ながら鉄道会社の3泊4日とは会社に3泊すると言うことです。
鉄道会社では通常泊まり勤務なので、基本的には仕事をしながら会社に1泊して翌日帰る勤務形態になります。
しかしながらこの会社は100時間残業しないといけないといったコメントがあったとおりだとすると、勤務終了後に残業をしていると推察されます。
そうなるとどうなるのか?
本来、泊まり勤務が終わって午前中ないし昼過ぎに仕事が終わりのところ、そこから残業が開始。
程よい時間の残業なら良いですが、晩まで乗れとなれば遅くまで乗らないといけません。
結果、自宅に帰る電車が無くなってしまって泣く泣く会社に泊まる。
そして翌日は普通に泊まりの勤務があり、3泊4日勤務が発生してしまうことになります。
後は逆のパターンも考えられますね。
泊まり勤務を終えて自宅に帰る。
翌日も泊まり勤務があるとして、その勤務が始まる前に朝残業をしないといけない。
その出勤時間があまりにも早すぎて自宅から始発で通勤しても到底間に合わない。
なので、泊まり勤務を終えた日の夜。
乗務区に出勤して会社で夜を過ごし、翌朝の朝残業に備える。
残業が終わるとそのままいつもの勤務が始まるわけで、また会社で泊まらないといけないので3泊4日が完成します。
残業時間が100時間ってことは休日出勤だけで賄えないですからね。
朝早く出勤して朝残業してから自分の勤務が始まる又は勤務終了後に残業させられるといったことをしないとこの時間になることはありません。
かなりの長時間労働を強いられているのがよく分かりますね。
個人的に凄いなと思うのは、こんな勤務をしてよく事故を起こさないなぁと関心するばかりです。
不規則な睡眠時間だけでもかなり体に負担がかかっているにも関わらず、これだけ働かされるとすれば私なら運転中に睡魔に襲われて確実にミスを起こすでしょうね。
本気で眠たいって時は寝ようと思っていなくても勝手に落ちますからね。
運転中に落ちたら駅は通過するでしょうし、そうなれば確実にトップニュースものです。
ただそれを聞かないのは保安装置で誤通過を防いでいると言うことなのでしょう。
普通に考えれば異常な勤務をしているのは明白で期に人を補充する必要がありますが、会社にはそんな考えはないのでしょう。
本来、鉄道会社に入社して運転士になるためには会社により異なりますが、2~5年といった歳月がかかります。
そして運転士を養成するために勉強を行う教習所も一気に養成できる人数の上限があります。
車掌ならこの基準が緩いので少し早く人を補充することが出来ますが、それでも限界はあります。
なので乗務員を増やそうとすると会社は年単位で考えていかないといけないわけですが、コロナ禍などで目先のことを考えて人を採用しなかったり、リストラ・配置転換で人が減るような施策をとってきたつけが今回ってきているといっても過言ではありません。
社員の不満を解消する手立てを講じないと余計悪化するだけでしょう。
これから十分な人手が補充されることを願って動画を締めたいと思います。
裏話
こんな会社は許せないって思われたかもしれませんが、表に出ていないだけでヤバイ鉄道会社は腐るほどありますよ。
そして厄介なことは、こっちの乗務区は天国やけどあっちの乗務区は地獄みたいな感じで乗務区間での格差もめっちゃあります。
なので鉄道会社に入社する前には複数の知人から話を聞いておくことをお勧めしますよ。
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