電車の運転士が酒を吞んで運転したらどうなるのか?【ゆっくり運転士の鉄道ニュース】

鉄道ニュース

はじめに

飲酒運転
これだけ世間でダメだと騒がれているのに呑んで車を運転する奴はなかなかなくなりません。
というのは車だけだと思っていましたが、未だに鉄道会社でもいました。
飲酒運転をしたら鉄道会社でどうなるのか解説します。
それでは出発進行。

なにがあったのか?


車両基地内において構内運転士が酒気を帯びた状態で車両を操縦した事象について
発生日
2022年11月13日(日)
関係箇所
株式会社JR西日本メンテック向日町営業所
発生箇所は、JR西日本近畿統括本部吹田総合車両所京都支所内です。
概況
2022年12月15日、社外から当社に対し、11月13日に上記箇所において、酒気を帯びた状態で勤務した事象の有無について照会がありました。
上記箇所において、過去のアルコールチェック記録及び当該担当者への聞き取りにより確認したところ、11月13日を含めて過去1年間に計8回、酒気を帯びた状態で、上記車両基地内(お客様が乗車された列車は走行しない)の車両を移動させる業務を行っていたことが判明しました。
また、当該箇所のアルコールチェックの実態を調査したところ、本来、担当者と点呼執行者が対面で実施するアルコールチェックを、担当者が単独で行ったり、点呼執行者がアルコール検知器の数値確認を行わず記録簿に記載したり、担当者自らが記録簿に記載していた場合があることが分かりました。

JR西日本ホームページより引用

一昔前は…

車を何年も運転する方ならご存じかも知れませんが、大昔は飲酒運転をしても罰則がありませんでした。
それから少しずつ罰則が厳しくなって今では飲酒運転はダメだという風潮が出来ていますが、平成の前期ぐらいまでは飲酒運転に対しての認識はまだまだ甘々でした。
それは鉄道会社も一緒で、体にお酒が残っているにも関わらず運転していたみたいなことは多々ありました
当然飲酒運転によって多くの人が犠牲になる事故も発生していましたが、喉元を過ぎればなんとやら、車と一緒で黙認されていた過去があります。
鉄道会社は飲酒チェックしてないのかと思われるかも知れませんが、その当時の検査は替え玉をしたり色々な方法でいくらでも偽装できていたみたいです。
まぁ流石に今の時代は全部勝手に記録されますし、世間の流れと一緒で運転するときは体にお酒が残ってはならないと厳しく管理されるようになっています。 
なので未だに酒を呑んで運転する奴はいないと思っていましたが、管理が甘い所って残ってるんだなぁって言うのが正直な感想ですね。
まぁ本線を運転するような所は厳格に管理されているんでしょうけど、車庫内で入換えを行う運転士やから甘いチェックだったんでしょうね。
運転士本人が記録簿に直接かけるような状態だと、チェックの意味がないですね。
ちなみに私の所ではアルコール検知中に写真撮影をされて、アルコールの数値とちゃんと本人が検査しているのかデータとして記録が残る様になっています。
では運転士が飲酒運転をしてしまった場合どうなるのか確認しましょう。

一昔前なら飲酒運転も常態化してました…

行政処分

電車を運転するための運転免許は車と一緒で、違反行為をすれば違反の程度によって免停になったり免取りになったりします。
そして飲酒運転に関して動力車操縦者運転免許の取消等の処分基準にはこう記載されています。


酒気を帯びた状態で列車を操縦した者
身体に血液1リットルにつき0.2グラム以上又は呼気1リットルにつき0.09グラム以上のアルコール濃度を保有している場合
上記に関わらず、飲酒の影響により、反応速度の遅延など列車の正常な操縦ができないおそれがある場合

行政処分等の内容
取消し

動力車操縦者運転免許の取消等の処分基準

動力車操縦者運転免許の取消等の処分基準より引用


お酒を呑んで電車を運転した場合、事故を起こさなかったとしても一発で免許取り消しになります。
行政処分として免許を剥奪されればその人は運転士として仕事をしていくことは出来ません。
さてそんな社員を会社は引き続き雇用してくれるのでしょうか?

会社の処分

学校なら校則、会社なら社内規定。
皆さんが所属する団体には大なり小なりルールが定められていると思います。
ルールに違反した者は相応の処分をされる。
これは鉄道会社でも同じです。
鉄道会社の社内規定には飲酒をして仕事をしてはいけないとか、法律を違反するようなことをしてはいけないと定められています。
行政処分はあくまで免許を剥奪させるだけの話であり、会社の社内規定に違反したら会社から別のペナルティーを受けることになります。
今回の件は確実に社内規定違反でしょうから、降格させられて他部署に飛ばされるだけなら御の字で、普通にコースの可能性が高いでしょうね。
まぁ首にされるにしても自主退職扱いにして貰えれば本人にとってもラッキーでしょうか…
ただ1つの懸念は今回ヤラカシタ運転士は、JR西日本の運転士ではなくあくまでグループ会社の運転士なのでどこまで処分するのかはちょっと疑問ですね。
呑んだら乗るな。
電車を運転するのに酒を呑んでいたらどうなるのか知って貰えたと思います。

酒を吞んで電車を運転したら相応の処分を受けることになります

裏話

今回のこの一件、JR西日本からの発表にこう書かれていました。
社外から当社に対し、酒気を帯びた状態で勤務した事象の有無について照会がありました。
この一文を聞いて皆さんは本当に外部の人が通報したと思います。
正直、車庫内を運転するだけの運転士が酒を吞んでいたなんて、外部の人は絶対に分からないと思いますよ。
じゃあ誰が通報したのか?
私は同じ会社で働く同僚が通報したと考えますね。
日頃の仕事で恨まれていたのか?はたまたちゃんと指摘したのに改善されなかったのか?
原因は色々考えられますが、外部の人を装って内部の人間が密告したと考えるのが自然だと思いますね。
ちなみに私は密告した人が悪いとは思いませんし、そのような手段を取るしかなかった会社の体勢に疑問を感じますね。

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