はじめに
仕事をしていると誰もがミスを起こしてしまうことはあると思います。
しかしそのミスを黙っていると運転士の未来は無いかもしれません。
自分で報告せず、外部通報される怖さを解説します。
それでは出発進行。
ニュースを引用
TOSテレビ大分より引用です。
JR九州によりますと、11日午前8時半頃、JRえで3両編成の上りの普通列車がドアを開けたまま別府駅方向におよそ8メートル進みました。
運転士がブレーキを緩めたことが原因で、乗客5人にけがはありませんでした。
このトラブルについて運転士は報告せずJRは午後になって乗客からのメール連絡で初めて事態を把握。
運転士からの聴き取りや車両のデータを調べた結果、12日トラブルを公表しました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e077bdb29b53456e64e110fc7f6b1dcf0bcf1d99より
要約すると、運転士はドアを閉めたと勘違いして電車を動かそうとしたとき、保安装置により電車のノッチは入りませんでしたが、勾配であったのでブレーキを緩めたことで電車が動いてしまったってことになります。
運転士としてはなんで電車が動き出さないの?でも電車は坂によりコロコロと動き出してるって動揺したことでしょう。
個人的には8m動くまでブレーキをかけ直さないのはどうかと思いますが、細かい話は置いておいて今回は報告について焦点を絞って話したいと思います。
本来の手順
この様なトラブルを起こしてしまった場合、すぐに各所に報告しないといけません。
すぐに指令無線を使う、乗務区に電話する、乗務区に帰ったあと報告する。
程度によりどの報告手段を使うのかは様々ですが、今回は特にドアが開いているのに電車が動いたってことなのでそこそこ大袈裟になる話です。
なので運転士は電車を停止させたあと、指令無線を使って運転指令にトラブルの発生を報告する必要があります。
その後、電車が動いた際にお客さんが乗降して怪我をしていないかなどの安全確認を駅員と協力して行い、異常がないことを確認したあと再び運転指令に報告し、運転再開の指示を受けることになります。
ここまではお客さんとして電車に乗っていれば皆さんが見ることが出来る手順になり、運転士はお客さんから見えない乗務区に帰ったあとにも色々やることがあります。
乗務区に帰ればまずは事情聴取が始まります。
今回のような列車転動の場合、会社によってはプレスリリースが行われることになります。
行政機関・マスコミ・お客さんに詳細を報告しないといけないので、運転士に対してトラブルが発生する前後の詳細な行動の聴取が実施されます。
駅にどのように到着したのか?到着した後どんな動作をしたのか?乗降確認はしたのか?発車するにあたってどんな動作をしたのか?
別室に連れて行かれて助役、もしくはもっと上の人からの尋問を受けることになり、警察の取調べと同じような感じですね。
事情聴取が終われば報告書の作成が待っています。
報告書兼反省文って言った感じの物を書かされるわけですが、今回のようなトラブルを起こしてしまった以上しょうがないですね。
で、最後に指導が行われることになります。
「コラ」って怒られます。
さぁここまでがトラブルが起こったときの手順ですが、今回は運転士が黙っていたことによりこの手順がとられていませんでした。
隠蔽のリスク
運転士がミスをした場合、システムに異常が出たり誰かが気付いたりしてその場でバレる場合と、今回のように誰かが通報しなければ闇に葬り去られる場合があります。
ミスった時に黙って処理したいという気持ちが働くのは痛いほど分かります。
ワンちゃんを狙って黙っておくことも一昔前なら通用したかもしれませんが、今の時代はかなり厳しいです。
お客さんから直接会社に対して通報があるのは勿論のこと、動画に撮られてアップロードされそれを見た第三者からの通報。
sns上でのつぶやきに対して炎上して会社に発見される。
あとからバレることは多々あります。
なにせ皆スマホを持っていますからね。
ダメなことをしているのを分かっていたり、たまたま映り込んだりして動画を撮ったり、つぶやいたり、会社に電話・投書するなんて簡単にできます。
一昔前なら、駅員に言うか乗務員に言うのかだったのでそこで上手く丸めればそれで話が終わっていましたが今はそうはいきません。
なので必要なタイミングで報告しておくのが身のためですが、隠してしまってあとでバレるとかなり話がややこしいことになります。
既に帰宅しているなら1分おきに鬼電がかかってきて、なんなら今から事情聴取されに出勤しろまで言われます。
で、出勤したらしたらでめちゃくちゃ詰められます。
隠蔽する意思が本人にあろうがなかろうがお客さんから通報があったってなればかなりの大事です。
やってしまったミスに対する指導よりも、黙っていたことに対する指導はかなり厳しくいかれます。
で、1回隠蔽した奴の証言なんかアテになるかということで、防犯カメラだったり電車の記録だったり、ありとあらゆる証拠をとられてコンコンと詰められます。
最悪、これで処分されて運転士を降ろされる可能性まであるので隠蔽するリスクはかなり高いです。
なので隠蔽するのは今の時代やめておいた方が良いわけですが、これぐらい大丈夫やろとかバレないやろみたいな心が働き、黙っておこうといった心理状況になる訳です。
絶対にバレるのであれば報告するんでしょうけど、バレない場合もあるので賭けに出てしまうんですよね…
気持ちは痛いほど分かります。
トラブルの程度によってあとでバレたときの怒られ具合も変わるわけで、特にお客さんが負傷する可能性のあるものは後で言い訳しにくいので早期に報告することが大事なんですよね。
特に今回はドアが閉まっていたならいざ知れず、開いているのにかなり動いてしまっているので必ずその場で報告が必要な案件になります。
ミスをするのは仕方がありませんが、その後の対応で人生が変わってしまうようなことはせずすぐに報告するのが無難ですね。
裏話
もしやらかしたとして隠蔽するなら運転士はまず車掌を口止めする必要があります。
この人がべらべら喋る人なら口止めは無理なので黙っておくのはやめといた方が良いです。
後は会社に、ご意見が来ないようにお祈りするだけですね。
大体、1週間何にも言われなければまぁ大丈夫でしょう。
まぁこの期間はドキドキしながら過ごす必要がありますが…
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