はじめに
人身事故が発生したとき、事故を起こしてしまった乗務員が何をやっているのかは大体想像がつくと思います。
でもそれ以外の乗務員が何やっているのか知ってますか?
実は人身事故が起こったことによりめちゃくちゃ得する乗務員がいるとすれば、逆に大損する乗務員がいてるんです。
どんなことが起こっているのか解説します。
それでは出発進行。
質問
こんな質問を頂きました。
気になったのですが、人身事故が起こった時の裏側を動画にして欲しいです!!
という訳で今回は、人身事故が起こったときの乗務員の裏話を解説します。
得する乗務員
1番得する乗務員
それは担当列車がなくなった乗務員です。
乗務員は、その日1日に担当する列車を全て決められています。
人身事故が発生した後はダイヤに大きな乱れが発生し、遅れたダイヤを元に戻すため電車の運転を取りやめます。
電車の取りやめが発生すれば、その電車を担当する予定だった乗務員の仕事がなくなります。
自分が担当する電車が無くなれば、その次の担当電車まで待機時間になったり、次の電車を担当するために交代駅まで移動したりします。
空いてる時間で別の電車に乗れば?と思われるかも知れませんが、別の電車に乗った結果、ダイヤ乱れの影響で予定していた元の電車に乗れない可能性がありますし、なにより乗務員を手配する助役的にも、決まっている人選をわざわざ変えて電車に乗せるよりかは、こんな時用に待機している予備の人を乗せる方が、乗務員の人当てを考えるのが楽です。
休憩時間中に人身事故が発生して運転見合わせの間は休憩室で待機、運転再開後に自分の担当電車が運転見合わせで走らなくなって、あとは助役に乗ってくれと言われない様に休憩所の端っこでこっそり待機しているのが一番おいしい乗務員ですね。
大損する乗務員
自身の担当電車が運転取りやめになって、その次まで時間が空く乗務員がいれば、延々電車に乗らないといけない最悪の場合があります。
本来であれば担当電車を降りてから、次の担当電車に乗るまである程度の時間があるので、少々のダイヤ乱れならこんなことが起こりませんが、人身事故のように大きくダイヤが乱れてしまうと担当電車を降りたら、もう次の担当電車の発車時間を過ぎてしまっていることがあります。
そうなれば次の担当予定の電車には、誰か他の人が乗務しないといけません。
この時に1番割りを食うのが、交代される予定だった乗務員です。
人身事故で途中駅で長いこと止められて、運転再開して電車を担当してきたら、交代者がいないという最悪の事態が発生します。
他の交代者を用意すればと思われるかも知れませんが、ダイヤが乱れて混乱している中、簡単に他の人を用意するのは難しいです。
交代者が来るのが遅れて、しかもこれ以上電車を駅に止めて遅らせられないと判断されれば、交代なしでそのまま担当してくれと助役に言われます。
というか1番悪いときはそんなことも言われず、駅とお客さんから早く発車させるようプレッシャーを浴びて、交代することなく泣く泣く担当することになります。
こうなると悲惨で、いつ交代の乗務員が来るのか分からず何時間も担当させられるときもあります。
まだ自分の業務時間なら我慢も出来ますが、勤務終了時間間際でこれをされると無限残業になるのでマジでイライラします。
仕事の後に何か予定を入れていたら、相手に断りなくドタキャンするしか方法がありません。
こんな時、私のようなペーペーは泣き言を助役に言っても簡単に交代を手配してくれることは無いので、乗組みのベテランの運転士さんに文句を言って貰うことが重要です。
助役に盛大にキレて貰えれば、運が良ければ渋々交代を用意してくれるときがあります。
日頃は鬱陶しい人でもこの時ばかりは神様に見えますねww
まぁこうでもしないとトイレ休憩もなくただひたすら電車に乗せられるのでしょうがないですね。
これはラッキー?
人身事故などで運転見合わせが発生すると、時として駅間に電車が止まってしまうことがあります。
長時間駅間で閉じ込められると、心理的にもお客さんに大きな負担がかかります。
その為、なんとか駅間の電車を駅まで走らせるような手配をします。
この時ホームに止まっている電車を回送扱いで車庫線や入換え線などに一旦電車を引き上げて、後続の駅間に停まってしまった電車を駅まで運転することがあります。
で、この後に運転再開するのですが、この車庫線や入換え線に送られた電車。
高確率で忘れ去られています。
特に普段使わない様な線路にいるときは要注意です。
運転指令は遅れながら本線を走行している電車を整理するのに必死で、待機している電車まで気が回っていません。
と言うか、混乱しているところに新たな電車を走らせて、仕事を増やされるのが嫌なんじゃないかと思うくらいです。
乗務員的には車庫線や入換え線では特にやることがないので、ひたすら待機するだけになります。
お客さんからの怒号も浴びないですし、仕事もしてないので楽そうに見えますが、長時間になれば暇つぶしも特に何も無いので結構しんどいですね。
しかも待機中に自分の勤務の時間が終わったとしても、帰ることも出来ないですしこれも強制残業になります。
一件楽そうに見えますが、いつになったらここから出られるのか分からない中、ただ待機させられるのも案外しんどいもんですよ。
さて今回は人身事故が発生したときの乗務員の裏話について解説しました。
ダイヤが乱れることによって得する乗務員、損する乗務員がいることを知って貰えたと思います。
ただ個人的にはダイヤ乱れが発生すると得をしたところで現場は大混乱。
結局は皆しんどい思いをするだけなんで、いらないトラブルが無いことを願います。
裏話
運転再開後に急遽電車を担当してくれってよくなるんですけど、絶対に若手から乗らされるんですよね…
人当てを考える助役的にも若い奴に言いやすいっていうのもあるとも思うんですけど、ベテランにも声をかけろよって思いますね…
おかげで休憩所にはおっさんの山ww
何かくじ引きで次の電車誰が担当するとかにして欲しいですね…
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