電車の床って何でできてるの? めんどくさい乗務員も裏話も 【ゆっくり運転士の質問返し】

質問返し

はじめに

皆さんが乗っている電車の床。
材質って気にしたことあります?
良い電車に乗ると床もグレードが上がりますが乗務員的には困ることもあります。
床の裏話を解説します。
それでは出発進行。

質問内容

こんな質問を頂きました。
鉄道車両の床ってなんの素材ですか?昔の車両は木の板でしたが、現代の車両は何を使っているんですか?

床材あれこれ

皆さんが乗る電車の床。
大昔前の電車なら木が貼られていたこともありますが、今の時代一般的にはゴム又はビニール系の床材が利用されています。

昔は木貼りの床でしたが…
一般的な電車はゴム又はビニール系の床材が貼られています

でもちょっと高級な電車。
例えば、特急車のグリーンなどではカーペット系の床材が利用されていますね。

特急車ではカーペットが貼られています

さらにエントランス部分にだけ石を使用して高級感を演出している電車もあります。
電車の車体はざっくりと言えば、金属で枠を組んでその上に板を張り付けるような構造になっています。
いずれの床材でもその上に貼り付けるって感じですね。
床材には色んな材質のものが使用されていると知って貰えたと思いますが、どんな材質であれ電車の床材に使用されるものは一定の条件をクリアする必要があります。
というのも鉄道に関する技術上の基準の解釈基準において、電車の床の上の敷物には難燃性を持つ材質で一定の試験をクリアしたものしか使用することが出来ないと定められています。
この試験内容を話すと長くなりますが、ざっくり言うと試験したい材料にアルコールを撒いて着火したときの燃えている状態、また燃えた後その材料がどうなったのかを試験するものです。
もしこの試験をクリアしていないものを使ってしまうと、しっかりと国土交通省から是正勧告を出されることになります。
ちなみに過去にあった是正勧告はこちら。

国土交通省からのお達し
国土交通省からのお達し


しっかりと怒られていますねww
昔のような列車火災事故で大惨事が起こらないようにするためにこの様なルールが定められているわけですが、最近は電車の中で火を放とうとする不届き者もいてるのでこんなルールになってますよとお客さんに知って貰えれば少しは安心して貰えるかも知れませんね。
ただ難燃性のものを使っているからと言って全く燃えないと言うわけではなくて、あくまで燃え広がりにくいっていうものなので、もし電車の床が燃えているみたいな場合は落ち着いて隣の車両に避難するってことが大切です。
床の材質は色々あるだけでなく一定の基準が設けられていることを知って貰えたと思いますが、床材の違いによって乗務員が感じる面倒くささも違います。

床材の違いによって…

電車の床は様々なもので汚されます。
お菓子の食べこぼし、飲み物をこぼした、吐かれたetc
皆さんはそんな風景を見たことありますかね?

お客さんに床を汚されると掃除しないといけません

電車の床を汚された場合、勿論そのまま放置するわけにはいきません。
この場合、乗務員が取りあえずの応急処置をしつつ、駅員に清掃を依頼します。
一般的な電車の場合床材は、ゴム又はビニール系なので汚れは床の表面に浮いている状態です。
なので拭き取れば簡単に掃除出来る訳ですが、カーペット系ではそうはいきません。
カーペットと聞けばピンとくるかも知れませんが、液体をこぼした場合染みこんでいってしまいます。
拭き掃除するのは変わらないのですが、しっかりと擦らないとなかなか染みこんだ液体を拭き取ることが出来ません
さらに吐かれた場合、処理剤を撒いてそれに吸着させて掃除するのですが、染みこんだ分は処理剤に吸着させることが出来ません。
そして頑張って拭き取ったとしても染みが残るので、後は車庫に入って綺麗にして貰うしかありません。
正直、乗務員にはお手上げ状態になる面倒くさい床材です。
電車内で飲食をする際には、特にカーペット系の床にものをこぼさないように注意して貰えれば幸いです。

裏話

カーペット系の床材ってものによっては小さく分割できるものがあります。
100均のフロアマットってあるじゃないですか繋げたら大きな一枚になるってやつなんですけど、あんな感じで分割出来たりします。
それだと汚れた箇所だけ張り替えたら綺麗になりましたってできますね。
まぁ一枚物だと車庫に入らないといけませんが…

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