運転士への道のりPART.12 見習い運転士の謝罪

運転士になるまで

遅れてごめんなさい


見習い運転士が運転する電車は総じて遅れてます
信号や標識を確認したあと、電車を動かしたり止めたりする動作が馴れていない分、どうしても動作がワンテンポ遅れがちです。
さらに駅に電車を止める時、駅を行き過ぎてしまうんじゃ無いかと不安になりブレーキを早く取ってしまい、結果として電車が止まるまで時間がかかりがちです。
そういったことの積み重ねで、電車は少しずつ遅れていきます。
普通の運転士なら電車が遅れてきていれば、許された速度制限ギリギリで電車を走らせたり、ブレーキを少し強くかけて一気に駅に電車を止めるなど、可能な範囲で遅れを回復させます。  
でも残念ながら見習い運転士にはそんな芸当は出来ません。
ギリギリを攻めると言うことは、ちょっと油断すればATSなどの保安設備に引っかかる可能性がありますし、ブレーキをかけるタイミングを遅らせて強くかければ、失敗すれば駅を通過してしまう恐れがあります。
線路の線形や車両の性能を熟知していれば出来る芸当で、見習い運転士が出来るはずがありません。
なので一旦遅れれば、そのまま遅れを引きずって運転することになります。

電車の運転はマジで難しい…

乗り心地が悪くてごめんなさい


理想的な電車の止め方の考え方は色んな考え方がありますが、基本的には強いブレーキを最初にかけて、後はブレーキを緩めながら止めることで、ショックがなく乗り心地がよい制動を取ることができます。
ブレーキの上手い人ならどんな駅でもこの止め方が出来ますが、見習い運転士にはそんなことは出来ません。
最初に強いブレーキをかけて「ええ感じに速度が落ちて、このままやと手前に止まるな」と判断してブレーキを緩めたのに、今度は全然ブレーキが効かなくてまた強いブレーキをかけ直すなんて日常茶飯事です。
そもそも車両形式が変われば、同じブレーキステップを取ったとしてもブレーキの効きは全く違いますし、平坦な駅勾配がある駅など止める場所の条件によってもブレーキの効きは変わってきます
前に乗った電車はこれくらいの位置から緩めたから同じ感じでいことか、1つ前の駅で手前からゆっくりになってしまったから早くブレーキを緩めようなんて考えは自殺行為です。
毎回毎回条件が異なるので、その場その場でブレーキ量を調節しないといけませんが、なかなかそれが上手いこと出来ずに、何回もブレーキを強くしたり緩めたりして乗り心地が悪くなってしまいます。

ブレーキ量は車両次第…

並ばしてるのにごめんなさい


いまはどの駅でもホーム上に○や△の乗車目標を付けて電車に乗るお客さんに並んで頂いています。
綺麗に整列して貰うことで、ホーム上での混乱を避けてスムーズに電車に乗降して頂けます。
お客さんが並んでいる乗車目標の前にドアをもってくるには、電車を停止目標にぴったりと止める必要があります。
普通の運転士なら若干の誤差はあるものの、ほぼ停止目標にぴったりと電車を止めることが出来ます。
でも残念ながら見習い運転士は無理です。
電車の勢いを考えてブレーキを調整しないといけませんが、手前に止まりそうやからブレーキを緩めたら停止目標を行き過ぎてしまったり、行き過ぎるからブレーキを強くしたら手前に止まってしまったり、自分が思っていることと逆の現象が起こることは日常茶飯事です。
何かの拍子にメチャクチャ綺麗に止まるときもありますが、前後1.5m以内ぐらいで止まるのがデフォですかね。
そうなればせっかく乗車目標に並んでいるお客さんの前にドアが来ないので、移動して頂かないといけません。
いらない手間をかけてしまっていますし、お客さんの乗降に時間がかかり電車の遅れの原因にもなります。
こんな感じで見習い運転士は日々多くのお客さんに迷惑をかけています。
なるべく迷惑をかけないように奮闘していますが、なかなか厳しいです…
本当にこれから上手に電車が止められるのか不安になりますが、それだけ電車の運転って難しいんだなぁと温かい目で見守って貰えれば幸いです。

乗車目標からずれて止まってしまうことも…

裏話

5mぐらい行き過ぎたらさすがにお客さんに怒られますよね…
1mぐらいならお客さんにとったらズレとるやんぐらいですけど、5mいっちゃったらドア1枚分ぐらいズレてますからね。
いや~止まるかなって思ったんですけど全然止まらなくて、最後限界まで強くブレーキを入れたんですけどスコーンって伸びていきましたね…
最後、衝撃をちゃんと抜けたぐらいが良かった点ですね…
気をつけます…

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