はじめに
地方の鉄道会社で増えつつある、人手不足による電車の減便。
都会の鉄道会社はワンマン化で乗り切ろうとしていますが、減便の魔の手は迫りつつあります。
最後までご覧頂ければ、減便に至るまでの悲惨な現場の状況を知って貰えると思います。
この動画ではなぜ電車が減便するのか?減便までのみちのり・元に戻せない訳の2点に絞って解説します。
それでは出発進行。

減便までのみちのり
1日、無数に走っている電車達。
これらの電車に誰が乗務するのか、それは事前に決まっています。
新幹線みたいな日々電車の本数が増減する路線を除いて、一般的な路線であれば日々の本数はほぼ変わりません。
なので1日あたり必要な乗務員の数は決まっているわけで、乗務員の休みを考慮した乗務区全体で必要な人数は自ずと求められます。
本来であればきちっと必要人員を揃える必要がありますが、事情によりやむを得ず必要人員を揃えられないときもあります。
となれば、致し方がありません。
最初に打てる手立ては休みの人に休日出勤をして貰うことになります。
この段階の初期であれば、まぁ社員も致し方がないと納得するでしょう。
でもこの人員不足が酷くなってくると、だんだんとシフトを組むのが難しくなってくるので、社員がここは休みたいと思って希望休を出したり、有給を申請したりしても会社側から却下され始めます。
労働基準法や会社と組合間で定められた最低限の休日数まで社員を働かせてしまったにも関わらず、まだ人手が足りていないとしましょう。
次に打てる手立ては勤務を分割するです。
乗務員の仕事は大多数が泊まり勤務なのですが、日勤勤務も存在します。
日勤と言っても普通の会社員の9時18時の仕事だけでなく、6時スタート15時終わり。
14時スタート23時終わり。
みたいなのも日勤勤務扱いになります。
例えば6時スタート15時終わりの勤務を分割するとしましょう。
Aさんは本来12時スタート翌12時までの泊まり勤務ですが、これを行う前に6時から12時まで分割した分を時間外勤務して、本来の12時からの勤務をスタートする。
そしてBさんが12時までの勤務を終えて、分割で残された15時までの時間外勤務をこなす。
みたいな感じで1つの勤務を複数人で時間外勤務扱いでこなします。
これがまーじできついんですよね。
1日、何時間働いているんだって話しで、早朝から深夜まで人を乗せて働くなんて正気の沙汰ではありません。

さてこうやったとしてもまだ人手が足りていません。
次に打てる手立ては普段電車に乗務しない監督者などを乗せます。
運転士や車掌の職場である乗務区。
乗務区には運転士や車掌を指導管理する立場である助役。
運転士や車掌の身の回りの手続きや助役の仕事をサポートする、一般的な会社で言う総務部的なポジションの内勤さんがいます。
こんな感じで普段は乗務はしないけど、元々は運転士や車掌の仕事をしていた人がいます。
こういった人を引っ張ってきて勤務の穴を埋めにいきます。
個人的には習熟が求められる仕事でこんなことをして良いのか疑問ですが、背に腹はかえられないってことなんでしょう。
ここまでやってまだ人手が足りていないとしましょう。
次に打てる手立ては他部署に移動した人を引っ張ってきます。
出世した人、ジョブチェンジした人など、元々は運転士や車掌をしていた人を呼び戻して、訓練をして再び乗務させます。
こうなってくると乗務区だけの話しではなく他部署にも迷惑がかかってくるので、会社的にもいよいよヤバいと多少は認識してくれることになります。
さてここまでやっても全ての電車を走らせるだけの人手が足りていないとなれば、いよいよ減便することになります。

元に戻せない訳
さてここまで減便するまでの道のりを解説したわけですが、人が足りないってなればすぐに減便しているわけではありません。
大きい会社であればあるほど、減便ってなれば世間に叩かれてごめんなさいしないといけない訳で、会社的には嫌な出来事です。
なので社員に無理をさせているわけですが、まぁ限界はあります。
大手ならそもそもの人手が多いので多少の人材不足でもなんとかなりますが、中小ならそもそもの社員の絶対数が少ないので、代わりの人手を手配するのが難しい側面があります。
なので今ニュースなどで減便の話しを聞くのは地方の小さな鉄道会社だけですが、大手でも減便へのカウントダウンは外からは見えてないだけで進行していたりもします。
大手ならダイヤ改正の時にこっそりと本数を減らして必要人員数を減らせますが、中小ならまぁ無理ですね。
じゃあ人を増やせよという声が聞こえてきそうですが、昨今の少子化であったり、鉄道職の魅力減、経営への先行き不透明感など様々な要因で人手を集めるにもなかなか厳しいのが現状です。
そして仮に人を入れたとしても中小なら入社後、すぐ教習、即運転士ってパターンもありますが、大手なら駅員→車掌→運転士って段階を踏むので運転士になるまで5年ぐらいかかります。
なので、すぐに人員が増えるかと言えばそうではありません。
で、仮に頑張って人を多少入れたとしても先述の通りかなり無理な勤務になっているので、まずはそこを解消しないと社員も定着しにくくなってしまいます。
結果、1度減便した電車の本数を元に戻すってハードルは意外と高いです。
こうならないように会社としての選択肢は、いかに人手をかけずに電車を走らせるかと行ったことを考えるわけで、ワンマン化を推し進めることになります。
ワンマン化による安全性への不安はあるわけですが、列車本数を確保することとの天秤になります。
1番良いのは潤沢に人を採用できることですが、人口減の日本ではなかなか厳しいのが現状です。
今後もこの減便の流れは止まらないわけで、減便の裏には現場の疲労が積み重なっている現状を知って貰えれば幸いです。

裏話
皆さんは連続時間勤務って何時間ぐらいできそうですか?
個人的には本来の勤務時間+2時間を超えてくるとしんどさを感じますね。
明けの日に睡眠が4時間ぐらいで本来は昼に終わっていたのを何時間も残業させられて、辺りが暗くなるまで働いたこともありますけど、疲れすぎてあんまり考えることができずに運転する羽目になりますね。
もう疲労困憊ですよ…

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